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俺達はよく分からない野原へ来た
ここが北海道のどこかは分からない
「じゃあ、いいよ、本気で来て」
「え?はい」
ジャラ…
暾が剣を弾く
すると、刃が伸び、暾の目の色が変わった
ビュッ…
「!?」
暾と不時無の位置はそう近くないが、
その距離のまま剣の刃が不時無のすぐそこ
までに迫っていた
術ご…
ズン…
「っ!!」
遠くから見ている治はあること気づいた
「伝能が使えない…?」
そう、暾の伝能武器は
と呼ばれるもので、対象の能力、技を
制限する性質を持っていた
それを不時無は予想出来ず
ピッ…
頬が少し切れてしまった
「鞭みたいだ…」
バォッ!!
「っう!」
遠心力を利用した横薙の攻撃
物理法則を利用したその攻撃は、シンプルな
ようで目にも入らない速さだった
「そろそろこっちも仕掛けるか」
バゴォ!!
不時無は脅威のスピードで暾へと
突進した
「ん…」
シュルルルル!
暾は不時無が来るよりも早く、刃を収めた
「これで死ななけりゃ、ここでは活躍
できるかもね」
不時無は腰から短剣を取りだした
暾も、剣の刃を固定し、斬り合いの体制に
入った
先に攻撃を仕掛けたのは暾だった
「…」
ガッ!!
「ほう」
暾は不時無の胸を一突きにしようとした
が、間に短剣を挟まれ防がれた
ガガガガガガガガガ!!!!
お互い、激しく火花を撒き散らしながら
広範囲で斬り合う
「すぅ…」
「…?」
すると、暾の深呼吸する音が聞こえた
バゴォォ!!
「ぐはっ…」
この剣は、本来斬ることが目的として
作られているが、それではどうしても
歯が立たない場合を想定され
この対術が生み出された
この技は柄の部分で相手を突き、
打撃範囲を狭めて威力を強化する
というものだ
正直この技はスタンダードすぎて、
直ぐに対処されるだろう
けれど、暾が扱うその技は、全くの
別物だった
不時無は少し焦りを感じた
(まさかあそこの中学校で育成されてる
生徒がこんなに強いとはね…しかも今の
発破、フェイントを入れた後に素早く
、コンパクトに助走をつけていたな)
「確かに強いね、君、だけどさ」
「ふんっ!」
不時無が話している途中に、暾は
技を繰り出した
ドガァァアァッ!!!
暾はいきなり技を連発しだした
「ぐ…」
治は腕でガードした
サァァアァ…
あたりは土埃が舞っていて、状況が
分からない
するといきなり
ボァッ!!!
「なっ!?」
土埃が一気に晴れ、構える不時無と
暾の姿が目に入った
「ちょっと、調子に乗りすぎじゃない?」
ピンッ…
不時無は暾の腹に標準を合わせる
「…ダメだ」
ドッッッッッッ…
「っっっかっっ…!!!」
暾は、いきなり遠くへ吹っ飛ばされた
「え、つ、強ぇ…?でも」
(おかしい、暾と鰄郎さんが対面している
限り、能力は使えないはず…)
「そんで、治君はなにか学べたかな?」
「えっ!?ま、まぁ」
「その顔…ただ見ていただけだね…?」
「はは…」
ザザ…
「ん…」
不時無は、険しい顔になる。
暾は、何事も無かったように歩いて
戻ってきた。
「…正直舐めてました、育成学校では成績
1番で、自分以外全員雑魚かと…」
「思想強いね…君」
「…だけど」
暾の顔が一瞬曇る
「だけど…なんだい?」
「1度、学校に審査を突破して入学し、
テロを試みた人がいたんです。僕はそいつ
に勝つことが出来なかった…」
そう、あれは1年前の7月のことだ。
-–7月4日 当時
暾 綜之(14)2年生 2-4
その日は少し暑い日だった。
その頃の僕は、周りから見たら少し
真面目すぎるし、嫌な奴だったと思う。
僕が教室へ入ると、いつも通りヒソヒソ声
が一瞬児玉する。
「今日あいつ来んのかよ…」
「だりぃー…」
耳に入らないわけが無い。
こんなの、拷問と変わらないじゃないか
「あいつ、学年で成績をいいことに、
女子言いくるめてるらしいぜ。」
酷い時は、こんな根拠の無い悪質な噂が
出回ることだってあった。
悪意に包まれる笑い声は、より一層
学校生活を狂わせる。
この日は、俺の人生を変える、ひとつの
出来事が起きた日だ。
3:55 下校
僕はいつも通り放課後に掃除をする。
だけど
「綜之、話しあんだけど」
同じクラスの男子が、僕を手招きした。
その男子の名は竹山といって、クラスで
乱暴なやつだ
少し嫌な予感はしたが、どこかへ着いて
来るよう言われたので、大人しく従う。
誘導され着いたその場所は、学校の校庭
だった。
「明後日、学校の能力者試験があるだろ?
俺、それで悪い点とったらやべぇから、
ここで勉強させてくれよ。」
ニヤッと気持ちの悪い笑みを浮かべる。
竹山のしようとしてることは、だいたい
想像がつく。
「行くぜ!!」
学校で予め配布される偽の銃剣で、
竹山は技を見せた。
「…汚い術だね、しかも四等、竹山さぁ
僕のこと病院送りにする気だったでしょ」
「うっせぇよボケカスがぁ!!」
竹山が銃剣のナイフの先端を地面に
突き刺し、その衝撃で僕のバランスを
崩そうとする。
だが
「技を使用する思惑がバレバレ、これは
赤点じゃ済まないな。」
ズバッ!!
「かはっ!?」
僕はコンマ1秒見逃さず、竹山の鳩尾
を完璧に、強烈に突いた