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自分の交友関係において性格の破綻している人間が多い中、
圭子は真人間で誠実な人物である
彼女に対して嫉妬心はあるものの同じマンション内で夫も子もいない中、
唯一会えば気楽に話の出来る人間なのだ。
だから、簡単にその関係を壊したいわけではない。
それならその友人の旦那にどうして手を出したりするのか?
そこが複雑な女心で、一方で匠平が自分に靡けば圭子の方を切るのは
構わないという考えも持っているのである。
淳子という人間はどこまでも自分本位で視野の狭い人間であった。
圭子への嫉妬や匠平自身に惹かれるものがあることの他に、
匠平を誘う理由はもうひとつある。
住宅ローンが重荷で本当に返済が苦しく、困っているという問題を
抱えていたのである。
淳子は圭子が考えたような、例えば住宅ローンに困った場合、住んでいる分譲を
賃貸に出し自分は安い賃貸住宅に移りその差額分で凌いでいくというような発想は
微塵もなかった。
高級マンションに暮らす優雅な自分、自身もそうだが人からもそう見られたい
という欲求が強すぎた。
今更、マンションにせよアパートにせよ安い賃貸に入居するなど
真っ平ごめんだった。
兎に角、現状を打破するには太客をGetすること、これを目標に職場である
クラブでも、またアロママッサージサロンでも顧客の中から探し出そうと必死で、
この時の淳子の頭の中は、そのようなことでいっぱいだった。
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