テラーノベル
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朝は、
少しだけ、曇っていた。
天気予報は、
見ていない。
スマホを手に取る。
通知は、
ない。
それでも、
アプリを開く。
昨夜の画面が、
そのまま残っている。
涼真
会う気、ないなら
最初に言ってほしい
既読は、
つけていない。
未読でもない。
ただ、
そこにある。
指を、
一度、引っ込める。
通勤の準備をする。
シャツ。
時計。
鍵。
いつもとおり。
それなのに、
少しだけ、
遅れる。
駅のホーム。
人の流れ。
広告の音。
電車の風。
スマホが、
震える。
画面を見る。
涼真
いつなら大丈夫?
その下。
涼真
今週末とか
指が、
止まる。
いつから、
“会う”が
決まっているのか。
そういう話を、
しただろうか。
アプリを閉じる。
ポケットに、
戻す。
会社。
会議。
資料。
修正。
昼休み。
席に戻ると、
スマホが光っている。
涼真
返事、ないけど
忙しい?
その下。
涼真
無理なら
早めに言って
画面の文字は、
整っている。
きれいすぎる。
送信ボタンの上で、
指が止まる。
そのとき。
新しいメッセージ。
涼真
じゃあ
今週は無しで
——静止。
指は、
動かなかった。
周囲の音だけが、
続いている。
(無音)