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連休中の高速道路は、かなり混雑はしていたものの、意外と早く横浜に到着した。
廉が運転する車は、独特な外観の高級ホテルの地下駐車場へ滑り込み、車を止める。
「まずはチェックインして、昼飯にしよう。お昼、まだだろ?」
彼は、助手席のドアを開け、優子を降ろす。
「はい。お腹空きました」
優子が唇を緩めると、廉は、トランクに積んである荷物を全て取り出し、エレベーターへ向かう。
「あのっ……自分の物は自分で持ちますっ」
優子は、二人分の荷物を持っている廉から、自身のトートバッグを掴もうとした。
「岡崎。気にしなくていいから」
(いや……気にするよ。客とはいえ、彼は元上司だし、それに、私より持ってきた物、多くない?)
彼女は、廉の少し後ろを歩きながら、彼の手元を朧気に眺めた。
優子のトートバッグと、彼が持参したバッグと紙袋。
(専務……意外と荷物持ちなのかな。男って、何となく手ぶらのイメージなんだよね……)
気付くと、廉は優子のかなり先を歩き、既にエレベーターの前で彼女を待っている。
「岡崎? どうした?」
「いえ……何でもないですっ」
優子は、小走りして廉に近付くと、エレベーターに乗り込んだ。
彼が予約した部屋は、ホテルの上層階、かなり広めのダブルルーム。
ドアを開けると、淡いベージュとダークブラウンを基調とした、シンプルでモダンな部屋。
窓一面には、みなとみらいが一望でき、メインルームには大画面のテレビとソファーセットで、高級ブランド家具だろう。
左手のドアはベッドルーム、右側にはバスルームや化粧室の水回りになっていた。
「うわぁ……眺めがいいですね……! 夜景もすごく綺麗なんでしょうね……」
窓際に近付きながら、優子は感嘆の声を零す。
「せっかくだからな。雰囲気がいい場所で過ごしたいって思ったんだ」
廉は、彼女に微笑み返すと、手荷物をベッドルームへ運ぶ。
「ああ、そうだ。岡崎、出かける前に……」
「専務? どうかなさいましたか?」
ベッドルームから戻ってきた彼に、優子は視線を向けると、彼は紙袋だけ持って彼女と向き合った。