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第45話 アヤメの過去4/4
前回までのあらすじ
アヤメの過去を見た。
これは、私が初めて黒野と出会った日だ。
「早く家に帰って美里の料理の準備しないと」
私(以下略)。今は美里を産んでから1年が経過する。
「おぎゃぁ!おぎゃぁ!」
ん?声?電柱の下にダンボールがある。
パカッ
ッ!赤ちゃんがいる!美里と同じくらい小さい赤ちゃんが!
「…?」
「ん?ビデオと手紙がある」
[この手紙を読んだ人へ ]
[この子は「黒野リアル」と言います。私一人では手に余るのでどうかお世話してください]
・・・。『お世話してください』って、子供をそんな風に扱うなよ…。
「えっと?黒野くん…でいいのかな?家に来る?」
「あう!」
可愛い。そうして、黒野くんを家に招き入れた。
あうあう!cv.黒野リアル(幼少期)
黒野が来てから数日後、どうやら黒野はこの歳なのに『固有力』を持っているらしい。
その『固有力』の名前は、『身体を変える』。たまに制御が効かなくなり暴発してしまうことがあるが、まだ未熟だから簡単に捌(さば)ける。
そして、黒野は私たちのことを本当の家族だと思っているらしい。大きくなったら話そうと思ったけど…話せないな。
ついでに、一緒に入っていた「ビデオ」も見てみた。
内容は私が昔見た光景と同じだった。多くの人が錠剤を飲まされ、「固有力」を無理やり発現させられ、殺されていくザマを。
そこの1部に、リアルらしい人影があって、砕かれた錠剤を哺乳瓶に入れて飲ませているのもあった。
そのビデオに映っていたのは部屋の映像ではなく、たくさんのモニターがある部屋で見ていた。そのビデオには音声が入っていて、目の前の光景で分からなかったが、確かこう話していた。
「佐々木。『日常』を創るのに必要な『固有力』はあと何個だ?」
「え?もう集まったっすよ?」
「えっ!?なんで早く言わないの!たくさんの人を犠牲にしちゃったじゃん!」
「いやだって、『固有力』の研究をするのに数があることに越したことはないじゃあないっすか」
「そうかな?まぁいい。早く『日常』を創るぞ」
「・・・」
「佐々木?どうした?突然黙って」
「オマエガクロノカ。ジブンノヨメニ『サヨナラ』ヲイワセラレナクテザンネンダナ」
「なっ!お前は!」
「ミスズハオマエガコロシタ。ダカラ、ワタシガオマエヲコロス」
「ま、まて!美涼は死んでいない!」
「モンドウムヨウ。ジゴクデコウカイシテナ」
ザクッ! ザーー
そこで映像は途絶えた。最後に出てきたのは誰だろう?私の名前を言っていたような気がしたけど…。