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「マネージャーにならない?」
あれから、考えてみたんだ。
みんながあんなに楽しそうにバレーをしている姿を思い出す。
バレー、楽しいんだな____
頭にあたって意識ちょっと飛ばしちゃったけど←
レシーブの手を作って、
見つめる。
あのボールが、ズシンと来る感じ。
軽いようで、重い____
みんなで繋いでいく、バレーボール。
私は、皆のこと支えられるだろうか?
私は、マネージャーになってみんなに何を繋げられるだろう?____
……
私の家はシングルマザーで、
お母さんはいつも夜帰ってくるのが遅い。
ご飯はいつも私が作って、お風呂掃除やある程度の家事は全部私が担当だ。
きっと部活をすることになれば、
お母さん仕事で帰ったあとご飯無かったり
お風呂湧いてなかったら悲しいだろうな____
もぐもぐもぐ……
ご飯を食べながらボーっと考えてたら
お母さん「美貴?…、美貴!」
『えっぁ……!なに!?』
お母さんに呼ばれた。
お母さん「もー、何度も呼んだのにっ!」
『ごめんごめん、考え事してた』
お母さん「なにー?またコスプレの事?」
そう言って笑う。
お母さんにコスプレやイベントに行ってる事は公認だ。
『いや……違うくて』
お母さん「じゃあ何?…美貴が好きな推しがどうこうって話?あ、もしかして推し死んじゃったとか!」
『違うってば!!!それに私の推しは絶対死なないから!!!』
失礼な!?!?
推しが死ぬなんて考えられない
そんな事になったなら何日も寝込むわ←
お母さん「ふふふ、じゃあ、何?
学校で何かあったの?」
そう、優しく微笑むお母さん。
やっぱり分かっちゃうのかな
『あの、実は____』
話した。
研磨君と出会ってから、色んなことがあって
マネージャーに誘われて____
やってみたいと思う、___
迷ってること____
話終わると
お母さんは
「へぇ?やってみたらいいんじゃない?」
『はぇ?』
余りにも簡単に許してくれたから____
「すごいじゃない!マネージャー!
なんか青春って感じで!」
『ほんと大丈夫…なの?ご飯とか…部活で遅くなるし』
「大丈夫大丈夫!お母さんだって料理作れるんだからっ!」
『前、カレー焦がしてたじゃん……カレー焦がすなんてなかなかないよ?』
「それはちょっと見てなかっただけなのよ〜!」
『いやいやいやwww』
しばらく、笑って
お母さんは真面目な顔になる
そして
「美貴、自分の気持ちに素直になりなさいよ?
私が苦労したからって、生活が苦しいからって自分のやりたい事我慢しなくていいの。
私は大丈夫よ。
あなたの人生なんだから、やりたい事、しっかりやりなさい!」
少し、うるっと来てしまった。
どこか出かける時も
コスプレを始めたいと言った時も
バイトを始めたいと行った時も
どこか後ろめたさがあった。
お母さん、大丈夫かな?
寂しくないかな?
なんて。
それでも
お母さんは否定をせず優しく背中を押してくれた
ああ、
やっぱり
お母さんの子供でよかった____
『ありがとう!お母さん。
私、音駒高校のバレー部のマネージャーやるね!!』