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昔、勇敢な桃太郎が鬼ヶ島にやってきて、鬼たちを制圧した。その後、
鬼ヶ島には貴重なエネルギーが眠っていることが判明し、桃猫太郎の子孫である桃次郎が島にやってきた。
桃次郎は、鬼たちに新しい知識や技術を教えることで、戦闘や争いのない穏やかな生活を手に
入れることができると説得した。鬼たちは、桃次郎の言葉を信じ、彼を通じて新しい生活を夢見た。
そして、首輪が鬼の力を安全に制御し、暴走を防ぐことで、双方が安心して暮らせる
環境を作り出すと説明された。鬼たちは騙されて首輪をつけ、桃次郎の支配下に入ることになった。
しかし、桃次郎の本当の目的は別にあった。彼の野望は、鬼ヶ島を金持ち向けの大型リゾート地に
変えることだった。その資金源として、硬い地盤に眠るエネルギーを鬼たちに掘らせていた。
鬼たちは奴隷のように働かされ、島の美しい自然は次第に壊されていった。
このリゾート地は、権力者たちの裏金が流れ込む場所であり、天下り先としても利用されていた。
島は外から見れば豪華なリゾート地だが、その裏には多くの秘密と陰謀が隠されていた。
さらに、桃次郎は鬼ヶ島の神とされる椿と婚約していた。椿との結婚を果たせば、
鬼ヶ島は正式に桃次郎一族のものとなる計画だった。椿は島の象徴であり、
彼女を手に入れることで桃次郎は完全な支配を目論んでいた。
しかし、椿は島の現状に心を痛め、自由を求める鬼たちの希望を胸に秘めていた。
彼女は桃次郎の野望に対抗するために協力者を探し、そして、
ジョセフやパルたちがその力となることを決意した。島の未来を賭けた戦いが始まろうとしている。
ジョセフは仕方なく、ホテルに帰った。玄関には秘書が待っていた。
「おかえりなさい、ジョセフ様。賢明なご判断です。」
そう言うと、秘書は部下に目で合図を送り、ジョセフの首に首輪をはめた。
「この首輪がどんな物かおわかりですね。次はありませんよ」
秘書は冷たく言い放ち、ジョセフを部屋に案内した。外側から鍵をかけられ、ジョセフは監禁状態となった。
ジョセフは考え込んだ。このまま調印式に出たところで、パルたちにめちゃめちゃにされるだろう。
さらに、アイリが裏金を暴露すれば、これは桃次郎だけの問題では済まない。
警察の失態とされ、最悪の場合、ジョセフまで関与していると疑われる可能性がある
「いったいどうすれば…」
ジョセフは頭を抱えてぐるぐると考え込んでいた。その時、ドアがガチャっと開いた。
入ってきたのはポテトだった。
ジョセフは怒りをあらわにし、「ポテト!この裏切り猫が!」と叫んだ。
ポテトは涙ながらに言った。「先輩が無事に戻ってくれて良かったです。」
ジョセフは冷たく返した。「ふん!おまえのせいでひどい目にあったぞ。」
ポテトは泣きながらジョセフに抱き着いた。「先輩、ボクを許してください。
やっぱり先輩がいないとボクだめなんです!」
ジョセフは困惑しながらも、「わ、わかったから抱き着くな!」と返した。
ポテトは涙をぬぐいながら言った。
「先輩、いま首輪を外しますからね。この鍵は秘書の部屋からこっそり持ってきました。」
そう言って、ポテトは首輪の鍵を取り出し、ジョセフの首輪を外した。
ジョセフはほっとして言った。「助かった。」
しかし、心の中では疑念が消えなかった。「本当にポテトを信用してもいいのか…」
ポテトは真剣な表情で続けた。「ボクは、先輩と別れたあと、後悔しました。
尊敬する先輩がここは危険だと言った理由を探したんです。そしたら、
ホテルのゴミ捨て場に血がべっとりとついた浴衣が捨てられていました。」
ジョセフは驚愕した。「なに!!」
ポテトはうなずきながら言った。
「あれは夢じゃなかった。本当にあった出来事を秘書が隠したんですよ」
ポテトは焦った様子で「すぐに逃げましょう!」
ジョセフは冷静に答えた。「逃げるといっても、船着き場は監視されているだろう。」
ポテトは自信満々に笑みを浮かべ、「そう思ってボクが舟を用意しました。あそこなら大丈夫です。」
ジョセフは少し考え込んだ後、決意を固めた。「いや、堂々とここを出る。」
ポテトは驚きの声を上げ、「え!どうやって?今度こそ殺されますよ!」
ジョセフは目を細め、冷静に言った。「これは賭けだ。桃次郎と交渉する。」
「桃次郎さんと?」
「秘書はいないのか?」
「はい、どこかに出て行きました。」
ジョセフは決断を下した。「よし、桃次郎の部屋に行こう。」
ポテトは力強く「はい!!」
ジョセフとポテトは一緒に部屋を出て、こっそり廊下を進んだ。緊張が高まり、
二匹の足音が静かなホテル内に響く。これから待ち受ける運命に、二匹の心は不安と希望で揺れていた。