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阿部side


俺は阿部亮平。この高校で風紀委員会に入っている。

俺には、最近悩みがある。それは、学力の事でも友情関係の事でもない。



💜「あーべちゃん!」



この深澤辰哉という男が、

あまりにもしつこ過ぎるのが原因だ。



💚『深澤先輩、また来たんですか…?』

💜「阿部ちゃんを見守るのが俺の仕事だからねぇ?わら」

💚「そんな仕事、今すぐやめてください。」

💜「塩対応な阿部ちゃんも好きーーっ!!」



この深澤辰哉という男は、一応俺の先輩で風紀委員長。

だけど委員会の仕事は全くしない。

深澤辰哉の日課は俺を見守る事らしい。

どうしてこんなに好かれてしまったのだろうか、

好かれるような事をした覚えもないのに。



💚『どうでもいいんで、これ手伝ってもらえます?』

💜「阿部ちゃんに言われたら、全然やるよ〜〜!!」


💚『じゃあ委員長。溜まってるのでこれ全部、今日中に終わらせてくださいね?』


💜「んぇーこんな溜まってんの!?」

「りょーかぁいっ、わら」



嫌々ながら仕事をこなす深澤辰哉。

俺はこいつに絡まれすぎて、本当に睡眠不足。


連絡先も交換している為、毎日のように連絡がくる。

もう本当に、どうかしていると思う。



💚『…深澤先輩、ひとつ聞いてもいいですか?』

💜「はいはーい?どしたの阿部ちゃん!」

💚『なんでそんなに、俺に関わろうとしてくるんですか…?』

💜「…んー、なんでか…」


💚『それだけ教えてください、じゃないと気になり過ぎて夜も眠れないし、』

『勉強も集中出来ないし、まともにご飯を食べる事すら出来ないんですよ……』


💜「いや待って、阿部ちゃんそんな俺の事で悩んでたの?」

💚『悩みますよ、そりゃ…』

💜「あはっ、すっげぇ嬉しい♡」

💚『……は?』


こいつ本当に頭湧いてる。怒りを抑えようとしたが、抑えれず思わず机を叩く。


💜「うおっ、びっくりしたぁ…」


💚『いい加減にしてくれません?もう俺ほんとに限界です。』

『これ以上それ続けるなら、俺もう委員会辞めますから。』


少し強く言い放った。


💜「…へぇ?優等生くんがそういう事言っていいんだ?」

「責任とか考えずに?全部俺に押し付けて?自分だけ楽になろう、って?」

「…見かけによらず、最低だね。」


💚『うぐっ、』

『…だ、だって事実じゃない、ですか…』


💜「まぁそうだけど、でも委員会の仕事放り出すのは違うでしょ?」

「先生に言ってもいいの?阿部亮平は委員会をサボる奴だって。」


💚『……っ、そんなのっ、』

『…俺が、悪いんですかっ、?(泣)』


💜「(やべ、泣かせた…!)」

「ご、ごめん、ちょっと強く言い過ぎた…!!」


💚『うぁっ、俺だって頑張ってるのに、(泣)』

『っ、なんで、俺ばっかっ、(泣)』


💜「ごめんね、阿部ちゃん、」

「よしよし、ほら、大丈夫大丈夫…(抱締)」


💚『嫌いっ、大っ嫌いっ、!(泣、叩)』

💜「っ、ごめん、もう付き纏わないからさ、許して?」

💚『ぇ、?』

💜「さーて、2人で手分けしたら早く終わるし、作業再開しよ?」

💚『は、はいっ…』


あっさりとストーカーをやめてもらえた。

翌日から、深澤先輩が来ることはなかった。


💚『(…ようやく解放された…)』


それなのに、俺の心には

「嬉しい」より「寂しい」が残った。


㌧㌧


💚『失礼します、深澤先輩いらっしゃいますか?』


あれ、なんで用も無いのに3年生の教室に居るんだろう。


💜「んぇ、阿部、くんどうしたっ?わら」

‪💚『…先輩、ちょっと来てください。』

💜「…えぇっ、?」


先輩の手を引いて、辿り着いた場所は屋上。


💜「…阿部くん、どーしたの?急に、」

💚『…ごめんなさい、やっぱり、寂しいです…』

💜「…寂しい…?」

💚『深澤先輩が居ないのが、寂しいんです、、』


💜「…ねぇ、それってさ…」

「俺と両想いってことでいーの…?」


💚『どうでもいい人に寂しいなんて、言わないですよ、』

『…好きです、深澤先輩が。』


俺の想いを伝えた時、見た事のない笑顔で俺を優しく抱き締めた。


💜「阿部ちゃん、好き…好きだよ、」

「大好きっ、大好きーーっ、!」


💚『もう分かりましたって、笑』

💜「付き合ってるからさ、2人っきりの時は敬語外そ?」

💚『うんっ、じゃあ…辰哉、?』

💜「んは、そーだね?わら」



これから、宜しくね。

―――恋人さん。



2話⇒愛しい人

執拗い先輩と塩対応な後輩。

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