テラーノベル
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「あーもう! うるさいお前ら! ちょっとは静かにしろって!」
楽屋では、ラウールと向井と佐久間がプロレスごっこを始め、目黒と渡辺が爆笑し、岩本がそれを動画に撮っているという、いつものカオスが展開されていた。
まとめ役の深澤辰哉は、注意する声も枯れ果てていた。
「……はぁ……」
深澤は魂が抜けたような顔で、部屋の隅にある優雅な聖域──宮舘涼太の座るソファへと避難した。
「……だてさん」
「おや、お疲れだね、ふっか」
宮舘は雑誌を閉じ、優しく微笑んだ。
深澤はその隣にドサッと座り込むと、背もたれに頭を預けて天井を仰いだ。
「……俺さぁ」
「ん?」
「……最年長、もうやだぁ……」
情けない声で、本音が漏れる。
「まとめるの疲れた。……俺だって騒ぎたいし、甘えたいし、責任とかポイしてバブバブ言いたい……」
「ふふ。……辞任かい?」
「おう。今日だけ辞任する。……もう俺、Snow Manの末っ子になる」
30オーバーの男が言うセリフではない。
だが、宮舘はそれを否定するどころか、楽しそうに目を細めた。
「いいね。……じゃあ、今日だけ俺が『お兄ちゃん』になってあげようか」
「……え、マジ? だてさんが?」
「ああ。……ほら、おいで」
宮舘がポンポンと自分の膝を叩く。
またもや膝枕の誘いだ。しかし今回は「国王の膝」である。
「……いいの? 国王の膝だよ?」
「末っ子には特別サービスさ」
深澤は「やったぁ」と棒読みで言いながらも、嬉しそうに宮舘の膝に頭を乗せた。
宮舘の太ももは適度な弾力があって、寝心地が最高だ。
「……んー、極楽……」
「よしよし。……ふっかちゃんは今日もいい子だね」
宮舘が、赤ちゃんをあやすように深澤の頭を撫でる。
その手つきがあまりに丁寧で、そして「舘様ワールド」全開なので、深澤は思わず吹き出した。
「っ、ふふ、何それ!『ふっかちゃん』って!」
「末っ子なんだろ? 文句は言わない」
「はいはい、すみませんでした(笑)」
宮舘は近くにあった高級チョコレートの箱を開けると、一粒つまんで深澤の口元に運んだ。
「はい、あーん」
「えっ!?いや、自分で食え……」
「末っ子は自分で食べないよ?」
「……うわぁ、徹底してんなぁ……」
深澤は観念して口を開け、チョコを受け入れた。
甘い味が口いっぱいに広がる。
「……ん、うまい」
「それは良かった。……口元、ついてるよ」
宮舘は自分の親指で、深澤の唇についたチョコを拭い取ると、それをペロリと舐めた。
「……っ!?だ、だてさん!?」
「ん? お兄ちゃんだからね」
涼しい顔でとんでもないことをする。
深澤はカァッと顔を赤くして、膝の上でバタバタと足を動かした。
「……あんた、キャラ設定がバグってんのよ!」
「そうかな?ふっかが『やだ』って言うから、甘やかしているだけだよ」
宮舘はクスクスと笑いながら、再び深澤の頭を優しく撫で続けた。
「……ゆっくり休みなよ、元・最年長」
「……うん。……明日には復帰するから」
「明日と言わず、いつでも辞任しにおいで」
騒がしい楽屋の片隅で、ここだけ時間がゆったりと流れている。
国王流の斜め上の甘やかしに、深澤の疲れはいつの間にか笑いと共に消え去っていた
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コメント
1件
やば、だてさまワールド全開だ笑 甘々ふっかもいいねー 続き待ってます!