あの日、私の人生は大きく狂ってしまいました。
何だか世界に大きな穴が空いてしまったみたいです。思い出も、辛い過去も、思い描いていた夢すらも、 やら一瞬で忘れてしまったようです。私の手元に残ったのは自分の名前と、家の場所と、小学校までに習ったことくらいでした。
「私の友人」と名乗る人達にこの世に温かく迎えられたあの日以来、私の記憶は少しずつ帰ってきました。ビルで友人と交わした約束、学校帰りに話した世間話、大体は鮮明ではないけれど、輪郭だけははっきりと見えてきました。
しかし、どうも「家族」のことだけはほとんど思い出せないのです。顔も声も性格も、何だか大きな岩が邪魔しているようでほとんど見えないのです。幼い頃の思い出を辿ってみても、なぜか家族に関してのことだけモヤがかかっているようで・・・。
それでも、いつか全て思い出して元の自分に戻れることを信じています。あの日以前の記憶がないだなんて、何だか寂しいですからね。
でも、全て思い出すと言うことは、思い出と同時に辛い過去も思い出すことなのだと考えると怖いです。忘れたかった記憶もトラウマも思い出すとなると、何だか今の状態くらいが1番ちょうど良いような気がしてきてしまいます。あの日以前の私に忘れたかった記憶やトラウマがあったかどうかは分からないのですが。
コメント
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調べてみたら記憶喪失ってストレス性のものもあるらしいな 家族のことで何かあったのか?友人との約束って? 気になる真相は…CMの後