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#鬱展開
Mist-404
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mogyumogyuGemi
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第27話「ヴァルカマンの悪魔」Az地下研究施設・B区画
静まり返る通路。
ソウヤの前には、白衣をまとった青年――一 仁が立っていた。
仁は敵意を見せることなく、静かに口を開く。
「安心してくれ。」
「今日は君を殺すつもりはない。」
ソウヤは警戒を解かない。
「じゃあ、何が目的なんだ。」
仁は少しだけ寂しそうに笑う。
「君を見に来た。」
「……それだけだ。」
ソウヤが踏み込もうとした瞬間。
仁が一歩下がる。
「戦えば、この施設ごと崩れる。」
「今は、その時じゃない。」
ソウヤは違和感を覚える。
(この人……)
(敵なのに、殺気がない。)
一方・A区画
イレイダと雛儀は警備部隊を突破し、施設の奥へ進んでいた。
雛儀が木刀を肩に担ぐ。
「思ったより弱いね。」
イレイダは周囲を見回す。
「……違う。」
「誘導されてる。」
その瞬間。
ガシャン!!
鋼鉄の隔壁が閉じる。
二人の退路が塞がれた。
スピーカーから男の声が響く。
「ようこそ。」
「Azへ。」
「私は間宮トオル。」
「能力の可能性を追い求める研究者です。」
イレイダは鼻で笑う。
「くだらねぇ。」
「人を実験台にしてまで追う可能性なんざ、認めねぇよ。」
地下最深部
結衣、小雨、タジは能力者たちを解放していた。
タジが叫ぶ。
「あと二人!」
その時、小雨が立ち止まる。
「……。」
結衣が振り返る。
「どうしたの?」
小雨は一つのカプセルを見つめていた。
その中には、一人の女性が眠っている。
長い髪。
どこか燕によく似た面影。
小雨が静かに呟く。
「この人……。」
能研本部
その頃、能研本部へ招集され待機していた北条燕が突然頭を押さえた。
「うっ……!」
結衣のいない本部は騒然となる。
燕の瞳から涙がこぼれた。
「……お姉ちゃん。」
その一言に、その場にいた柚季が驚く。
「燕……?」
Az地下研究施設
小雨がカプセルのプレートを読む。
そこには名前が刻まれていた。
『被験者 No.01 北条セツナ』
結衣は息を呑む。
「北条……セツナ。」
タジも驚く。
「燕さんのお姉さん……?」
小雨は静かに頷く。
「きっと……そう。」
その瞬間。
施設中に赤い警報が鳴り響く。
《重要被験者への接触を確認》
《防衛システム最終段階へ移行》
管制室
間宮トオルはモニターを見つめながら笑う。
「見つけたか。」
「それでいい。」
研究員が尋ねる。
「奪われます。」
間宮は首を横に振る。
「いや。」
「彼女は、まだ目覚めない。」
「今は、ね。」
B区画
仁は警報を聞き、表情を曇らせた。
「……始まったか。」
ソウヤが構える。
「何が始まる?」
仁は短く答える。
「間宮先生の実験だ。」
その瞬間。
施設全体が大きく揺れる。
天井から瓦礫が落ち始める。
仁はソウヤの腕を掴み、強引に引き寄せた。
ドォン!!
瓦礫が二人のいた場所へ落下する。
ソウヤは驚きを隠せない。
「助けた……?」
仁は静かに言う。
「私は君と戦うためにいるんじゃない。」
「今は生き延びろ。」
そう言い残すと、仁は暗闇の中へ姿を消した。
ソウヤは拳を握る。
「一仁……。」
敵なのか。
味方なのか。
その答えは、まだ誰にも分からなかった。
そして、施設の最深部では――
眠る北条セツナの指先が、再びわずかに動く。
長い眠りが終わる日は、近づいていた。
第27話 完
コメント
1件
**リオン**: セツナさん、北条家の姉だったんですね。燕さんの「お姉ちゃん」の言葉が重く響きました。それに一仁くん、敵なのにソウヤを助けるし、間宮さんはすべて見越してるし…伏線がどんどん絡まってきて、もう次が気になって仕方ないです。読んでるこっちまで息を呑む展開でした。