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46 - 「お互いに」🖤💛

♥

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2025年04月30日

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「おい、目黒……」


バスルームから出てきた俺は、鏡を見て険しい顔になる。

首元から鎖骨にかけて、真っ赤なキスマークの群れ。


「やりすぎだろ、これ……」


タオルを無造作に肩にかけたまま、ベッドに座る目黒を睨む。

けれど目黒は、どこ吹く風といった顔で、にやにやしているだけだった。


「岩本くんが……可愛いのが悪い」

「言い訳になってねえ」


ため息混じりに言うと、目黒はベッドに寝転がり、上目遣いでにじり寄ってくる。


「……てかさ、岩本くんも人のこと言えないよね」

「ん?」

「俺だって……背中、引っ掻き傷だらけなんだけど」


ぽそっと、ちょっと拗ねたように呟く目黒。

その声が可愛くて、思わず笑ってしまった。


「……ん?」

「ほら」


目黒がくるりと背中を向ける。

たしかに、肌には赤く引っ掻いた跡が無数に走っていた。


「うわ、ごめん」

指先でそっとなぞると、目黒は小さく震えた。


「……岩本くんは夢中になって爪立ててぎゅってしがみついてきてから、俺も夢中になって印つけちゃった」


ぼそぼそ喋る目黒が可愛くて、たまらず、そのまま後ろから抱き締めた。


「じゃあお互い様か」

「……うん」


くしゃっと目黒の髪を撫でて、首筋にそっとキスを落とす。


背中と首筋。

互いに、消えない痕を残して。

それが嬉しくて、愛しくて、また静かに唇を重ねた。

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