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そして二月上旬、晶子は都内の私立大学の入試に臨んだ。文学部の受験なので、科目は文系のみ。理系は苦手だが文系の教科が得意な晶子にとっては、手応えありという感じだった。
息つく間もなく、国立大学の前期試験が始まり、晶子は第一志望である一橋大学の入試二次試験に挑んだ。その年には、センター試験の点数による「足切り」は実施されず、その点では晶子にとっては一安心だった。
とは言え、理系はもちろん、文系の問題もかなり難しく晶子は二日間の試験日程が終わると、翌日は夕方まで死んだように眠っていた。
二月の最終週、私立大学の合格発表がオンラインで行われた。大学からのメールで指示されたインターネットのサイトにパソコンでアクセスした晶子は、ぶるぶる震える手で合格者受験番号の一覧が載っているページを開いた。
そこに自分の受験番号を見つけた時、晶子は何度も何度も受験票に記された自分の受験番号と、サイトにある番号が本当に合っているかどうか、見比べた。間違いなく、合格者の受験番号一覧の中に晶子の番号はあった。
「や、やった……夢じゃないよね」
晶子が自分のほっぺたをつねって、笑いながら「痛い! 痛い!」と言っている時に、会社にいる母親からスマホに電話がかかって来た。晶子が私立に合格したと伝えると、母親は晶子より大きな声で喜んだ。
「おめでとう、晶子。よくがんばったね」
だが晶子はまだ心底から喜ぶ気になれず、母親に返事をした。
「ありがと。でも国立後期はこれからだし……」
「それはそうだけど、進学できる事は決まったじゃない。プレッシャー感じる必要はなくなったんだから、国立の後期試験にはもっとリラックスして受けなさい」
だがその直後の、三月上旬の一橋大学の結果発表では、晶子は合格できていなかった。試験の手応えから予想していた結果ではあったが、晶子はすっかり意気消沈してしまった。
国立後期の試験日程の前に、私立大学の方の入学金支払いを済ませておく必要があった。夕飯の食卓で申し訳なさそうな表情を浮かべる晶子に、父親は努めて軽い口調で言った。
「お金の事は心配するなと前から言ってるだろう。確かに国立後期で合格したら無駄な出費になるが、そんな事は親を頼りなさい」
三月中旬、お茶の水女子大学の後期日程入試が行われた。受験科目は、晶子の場合、国語と英語のみ。試験の手ごたえは十分だったと晶子は思った。
そして三月二十日、お茶の水女子大学の結果発表のサイトに、晶子の受験番号は無かった。受験票とサイトの番号一覧を十回見直したが、晶子の番号はなかった。
特異な文系科目だけで受験出来たので、密かに自信を持っていた晶子だったが、その現実に打ちのめされた。晶子にとって有利であれば、同じくもっと高い点数を取れるライバルは十分すぎる程いたという事なのだろう。
こうして、晶子は都内の私立大学に進学する事が決まった。
#両片思い
キオネ
219
#命
ruruha
279
40
#⚠️この話は全て私の妄想で書きました
レンコン 煮付け
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コメント
1件
晶子の合格発表のシーン、めっちゃ感情移入しちゃった…!自分の番号を何度も見比べるあの慎重な感じとか、めっちゃリアルで「わかる、その気持ち!」って叫びたくなったよ😭✨ 国立落ちた時の落ち込みも切なかったけど、お父さんの「お金のことは親を頼りなさい」って言葉にじーんときた…家族の愛情がちゃんとあるんだなって。私立進学決まって本当によかったね、晶子おめでとう!!🎉💕