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学校帰り、俺はまた神社へ向かった。
案の定、凪先輩はあの桜の木の下に立っていた。
「涼….この花の名前、知ってる?」
そう言って凪先輩は桜の木を指さした。
「ん〜……」
桜ということは分かるが名前までは分からない。
「知らないです」
「この花の名前はね……….」
「その前に…涼、敬語は要らない」
「え?先輩なのに?」
「先輩….?あぁ…そういえば…」
そう言いながら凪先輩はブツブツと
独り言を漏らした。
「ぇ..あ、分かった」
とりあえず話を進めておくために
俺は適当に返事をした。
「ありがとう」
そう言いながら凪先輩は微笑んだ。
正直に言うと世の中の男は一瞬で恋に落ちるだろう。
そのくらい俺にとっては美女だった。
「この花の名前はね、修禅寺寒桜って言うんだよ」
「しゅうぜん….え?」
「修禅寺寒桜よ」
「じゃあ次、これは知ってるかしら?」
そう言って凪先輩は青色の花を
俺に見せてきた。
「んー….見たことあるようでないような….」
そう言って俺が悩んでると、
凪先輩は笑いながら
「これは、勿忘草って言うのよ」
と言った。
その日は色々な花を学んだ。
先程の2つの花の他に、スノーフレーク、
カンヒザクラ、カワヅザクラ。
計5つを教えてくれた。
どれも聞いたことがない名前だった。
その日はもう遅いからと言って
凪先輩と別れた。
凪先輩が帰り際に何か言いたげだったが、
俺は気づかなかった。