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「悪く思わないでね?」
神山はそう言って俺の精液をティッシュで拭いた。
罪悪感の混じったそれは、皮肉にも広範囲に飛んだ。
神山は拭きながらこっちを見た。
「お前が好きだ。」
言葉を失った。
憤れるような気がした。
「お前…何?笑わせに来てんの?」
「俺は正直に言ってるよ。」
「…っじゃあなんで郁子と付き合ってたんだよ!!」
「”好き”をどういう意味で捉えてんのか知らないけど…俺はお前のことを興味深いっていう意味で好きなんだよ。七瀬とは別。」
普通に考えてありえない。彼氏なのになんで他のやつ見てんだよ!!
郁子を大切にしているのだと思ってたのに…。
「言っとくけど、俺が三宮を好きな事と、七瀬の自殺の理由は多分関係ないよ。」
「……やっぱお前、知ってんの?」
「推理した答えは既にある。でもこれが事実なら、俺もお前も………
絶望すると思う。」
だからやめとく、と神山は俺にキスをした。
違う、お前のそれは、愛なんかじゃない。
お前のせいで郁子が死んだに決まってる。
お前のせいで…
それなのに、どうして?
どうして俺は、あいつに期待したんだろう。