《グリード城門前》
俺の異世界の冒険が今!
始まろうとしている!
テロフィナーレ!……は、ちょっと意味違うか!
「そういえば、似合ってますわよ、その格好」
今はサクラ女王と一緒に城の前で迎えの馬車を待っている。
ちなみに馬車なんて初めてなのでワクワクテカテカしてるよ!
後、似合ってると言われてなんかむず痒い、感覚的には男子が女装して可愛いと言われてるみたいな感覚だ。
「あ、ありがとうございますサクラ女王、ハハ……」
現在、俺の格好は全裸ではない。
全体的に青い服で赤いネクタイに黄色のラインの服。
下はミニスカートにガーターベルトの黒い大人の下着にニーソックス……なんか自分で言ってて恥ずかしくなって来た……
仕方ないだろ!こっちの服もらうのに俺の身体は女なんだからこう言うのが来るに決まってんじゃん!
もちろん他にないか聞こうとしたよ!こんなもん着れるか!って思ってね?
でもさ「これは国の最新技術を詰め込んだ防具ですわ、他の勇者様よりアオイさんには大変なご迷惑をかけたのでアオイさん専用に城の研究員達全員で開発して作りましたの!」とか言ってくるからもう引くに引けないよね。
「もう、私の事はサクラでいいですわよ?」
「女王様を呼び捨ては色々まずい気が」
「では女王からの命令です」
「それは困ったなぁ、とりあえずサクラさん、で」
「分かりました、アオイちゃん♪」
アオイちゃんとか!うおい!はずかし!
普段の俺なら絶対に悪寒が走ってるけど『女神』が言った様に女性恐怖症は全く無くなっている。
まぁもっとも、女神はこの子の中に潜んでるみたいだけど……『不思議とその事実を言おうと思わない』
「スカートの内側に王家の刻印が刻まれております、何かあったり宿などで困ったときはそれを見せるといいでしょう、グリードの人達ならきっとおもてなしをしてくれるはずです」
なるほど服に刻まれてるなら、ひょっとしたことで刻印を忘れた!とかならないわけか、着替えたり盗られたら何もできないけど……まぁ服取られるとかよっぽどの事が無いとありえないありえない笑笑
着てるしね!
この刻印が目に入らぬか~なんちゃって……でもなんでスカートの裾の裏なんだ、刻印見せる時太もも見えちゃうよね!?
「う、うん、何から何までありがとう、サクラさん……それに魔法学校の手続きまでしてくれて」
そう、俺の華麗なる異世界冒険生活ライフに選ばれたのは!
ジャカジャカジャカジャン!
“異世界学園でのんびり気ままライフ!”
いきなり来た転校生!ざわめく教室!
増える異世界の友達!んで帰宅部になって異世界の遊びとか教えてもらったりしてのんびり過ごす!
という事で城で教えてもらうはずだったするこの世界の説明会はパスさせてもらった。
学校でなんか図書館みたいな所で見ればいいし、何より異世界に来たらそんな説明なんて聞いてる人、アニメや漫画でいなかったし何とかなるだろ!
まぁもしかしたら途中でチート能力でるかもだし?
ついでにだが、水を出す魔方陣を起動させようとサクラ女王に説明を聞いてたのだがバビューンとかジワジワドーンとか言ってて良くわからなかった。
感覚で説明するタイプだな!俺もそうだけど!
「そんなことはお安いですわ♪それよりアオイちゃんは可愛いのからイジメや無理矢理襲われる事がありそうで心配」
なんか良くわからない所で心配されてる……学校でイジメと聞くとトラウマがががが。
「あ、はは、そこら辺は上手くするよ」
苦笑いしながら誤魔化す、実際どうなるかわからないしね。
ただ前と比べて今は大人だしうまく立ち回れる自信はある。
そんな話をしていたら森の奥から白い馬?が2頭、馬車をひいてきた。
うお!馬に羽と角がある!こう言うところを見ると改めて自分は異世界に来たんだなって実感が出てくる。
「少ししかお話出来ませんでしたが、馬車にのって二日で一番近くのクインズタウンに着くと思います、城の騎士達も同行するので安心してくださいね」
「うん!次あったときはゆっくり話そう!」
「それでは、お元気で」
「そっちもね」
その言葉を最後に俺は馬車に乗って出発した。
護衛に五人ほど騎士をつけてくれた、何から何までありがたや、いつか必ず恩返しをしよう。
さらばグリード城!
行ってきまーーーす!
________
____
__
《4時間後》
「ふぁーあ」
揺れにも慣れてきてウトウトしてきたな、眠たみ……
中で一緒に乗ってる騎士は五人のうち三人。
残り二人は馬車を動かしている人が一人と馬車の上にある見張り台で周りを見ている人が一人。
「……」
馬車が揺れるたびにフワフワと胸と髪が揺れてしんどいの以外は快適に過ごしていた。
騎士の人達は話しかけてくる様子もなく、俺から話しても仕事の邪魔になりそうだからやめてる。
眠いし……うと……うと______
____しかけたその時、突然馬車が大きく揺れ頭を強打した!
「いった!頭いった!いったぁぁあ!」
「どうした!何があった!」
流石騎士たちだ、俺が芸人のように痛がってる間にもう戦闘スタイル。
「わかってるな!お前ら!絶対にお守りするぞ!」
すごい気迫だ、まるで俺をお姫様の様に扱ってる。
「な、何か僕に手伝う事はありますか?」
「いえ、アナタは女王の客人!この中に居てください!」
そ、そう?では、お言葉に甘えるとしよう……恐いし。
「ありがとうございます」
さっき頭ぶつけて髪が乱れたので片手でかきあげながら騎士にお礼を言う。
「……っ」
おい、なぜそこで顔が赤くなる。
兵士はフルフェイスを被り外へ出ていった。
そして時間が経つ____
「これはこれで馬車の中に一人ぼっちって、なんか怖いな」
時間は解らないけど、さっきドア開いた時暗かったのは確認した。
「にしても遅いな?」
タイミングって不思議だよね、そう言ったらドアが開いた。
「あ、どうでし____ひっ!」
入って来たのは鎧を真っ赤にしたさっきの騎士だった。
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