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社内ビュッフェでゆったりとランチタイムを過ごしていると、デザートを食べてアイスコーヒーを飲んでいた絶妙なタイミングで携帯が着信を知らせた。
「そろそろ行こうと思うんだが、都合はどうかな?」
「はい、大丈夫です。美味しいランチをいただきましたから」
「そうか、よかったよ。ビュッフェでは、社員のリクエストを取り入れて、メニューを入れ替えているんで、君も何か食べたいものがあれば遠慮なく言ってもらって構わないから」
いい会社だなぁと感じる。本当に社員さんたちのことを考えられて、大切にされているのが感じられて……。
「はい、ありがとうございます。では、どちらで待っていればいいでしょうか?」
「ビュッフェの前にいてくれればいいから」
「わかりました。お待ちしています」と、電話を切る。
──ビュッフェを出て待っていると、しばらくして蓮水さんがやって来て、
「じゃあ、まずはこの階から回ろうか?」
と、前を歩き出した。
ビュッフェのある二階は、半分が飲食スペースで、もう半分がオフィスフロアになっていた。
「二階には、広報部が入っているんだ」
(広報部と言えば、こないだ食事中の風景をスケッチさせてもらって……って、ああっ! そのイラストがミーティングで見せられちゃってたんだった〜!)
と、再び襲った気恥ずかしさに、ひとり頭を抱えた──。