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好きだというのなら。
心の底にある感情は出しちゃいけない。
一度手に入れたこの地位を退かないためにも。
全て繕えば
いつかは感情さえもコントロールできる。
「__大好きでした。」
ーーーーーー
….
こんなものを書き殴ってどうする。
何か現状が変わる訳でもない。
り「お〜良いもん描いてんじゃ〜ん」
ビクッ
キ「おま、、、いつの間に、、、」
キ「いや何勝手に見てんだよ!?」
り「えー別によくね〜?それよりこれ相手はガリか?」
キ「….バレた?」
り「そりゃ分かるさ、だってお前いつも…いやなんというか、師匠師匠うっせぇんだよ!?」
キ「キレんな、反応に困る。」
り「あ、それ浦咲さんがポケ引退しかけた時にルームメモに書いてあったやつだ〜」
キ「お前自分がクソきもい自覚ある?」
り「そんな褒めんなって///」
キ「あっ…(察)」
り「おい今何を察した」
キ「べーつにぃ?」
それにしても相方か、、、
少し羨ましいと思ってしまった。
ずっと近くに居ても何も言われなくて、気軽に話が出来る。
コイツらが付き合う確率だって、0%じゃない、なんなら俺なんかよりずっと高いはず。
り「てーか聞いて〜?」
キ「なんや」
り「昨日街中でめっちゃ可愛い子見つけてさぁ」
キ「….おん」
り「そんでナンパしたのね?そんで「お!ドタイプ!!!」って思って。」
り「したらまさかの浦咲さんやったんよww」
り「そのまま喫茶店行ってちょっと遊んで帰ってきた〜!!!可愛かったなぁ〜♡」
前言撤回。
コイツ生粋の女好きだった。0%だわ。
キ「溺愛してんな…w」
キ「てかナンパすんなよそんな溺愛してんなら☆」
り「いーじゃん別に〜?どーせ振り向いてくんねぇんだからさぁ」
キ「悲しい事言うなって。」
まぁどうせ、振り向いてくれないんだからさ
どうせ、気付かれる事もないんだからさ。
迷惑くらい、かけないようにしないと
いつもそうだった、師匠。
が「新規さんらっしゃぁい!!」
貴方は誰にでも笑顔を振りまいて。
が「うんまぁ✨✨」
誰にでも言えるような薄っぺらい言葉をつらつら並べて、でも。
が「飲み込みはえぇなぁw自慢の愛弟子だよ」
誰よりも愛情深くて、そして、
が「大丈夫。お前なら、俺を超えられる。」
そして、誰よりも、、、優しすぎる。
そんなんだから。
キ「”こんなの”が生まれちゃうんですよ。」
ねぇ、師匠。
ある日の事。
昼休み。それは彼女の口から告げられた。
り「そーいやガリ彼女出来たってさ。」
キ「へ〜」
俺には理解出来ない言葉を、淡々と彼女は綴る。
信じられなかった。
いや違う、信じたくなかった。
キ「あんなに、俺に尽くしてくれたじゃないですか。」
なんて戯言は、五限目の開始を告げるチャイムが掻き消した。
六限の授業が始まっても、この頭は師匠でいっぱいだった。
来週の期末テストなんてどうでも良いと言わんばかりに、教師の言葉が右耳から左耳へと抜けていく。
実際、今の俺にとっての優先順位は師匠が一番。授業なんて二の次だった。
このぐっちゃぐちゃの感情を、
疑問、怒り、嫉妬、何処からも湧き出るこの感情を、一体どうしろというんだ。
六限の終わりを告げるチャイムがなる。
結局最終的に辿り着いた思考は、
「一度会って話がしたい。」
馬鹿みたいに単純な、この一文だった。
ホームルームが終わり、教室がざわつき始めた頃、俺はただがむしゃらに階段を駆けて行く。
師匠があっちに行ってしまう前に、行かなければならない。
この感情に飲まれたこの瞬間じゃないと、話せないと思った。
今を逃したらもう、二度と話せないと思った。
キ「師匠!!!」
が「お?キラリどーした」
高等部:1年Aクラス。そこにはいつも通りにヘラヘラと笑う貴方が居た。
この笑顔を、僕の知らない誰かがもっと間近で見ているのだと考えると、柄にもなく泣き出してしまいそうになる。
キ「彼女さん…出来たんでしたっけ。」
この言葉を出すだけにどれほどの勇気がいるか
が「そーそー!めっちゃ可愛いのよ〜w」
貴方はきっと知らない。
そしてまた、貴方のその笑顔で僕の心はもっと掻き乱されてゆく。
キ「そう、なんですねw」
こちらも同じく笑ってみた。
まるで幼子が悪事を隠すかの様に、目尻から伝っていくこの雫に、知らないフリをした。
その事を知ってか知らずか貴方は
が「…ニコッ…お前らとの関係は変わらねぇよ」
僕の事を見て優しく微笑みかけた。
口角を少し引きつった様な悲しげな笑顔。
その表情から、微細な悲哀が漂ってきた。
キ「….で….さい」
が「どーかしたか?」
いつの間にか普段の笑顔に戻っていた貴方に僕は言い放った。
キ「そんな顔で、僕の事をみないでください。」
心の底からの叫びだった。
いや、違う、こっちを見て欲しくない訳じゃない。
僕は…僕はただ貴方に、
キ「そんな顔、しないでください。」
笑っていてほしいだけなんです。
一度溢れてしまった涙はもうどうする事も出来ず頬を濡らし、未だに目から溢れ出るこの水滴は留まる事を知らない。
が「….ごめんな。」
最初からこうなるのが分かっていたのだろうか、貴方は、
僕の事を抱きしめた。
背中から師匠の体温が伝わってくる。
が「ごめんな。俺、、、お前に、」
師匠、もしかして
キ「泣いてるんですか?」
僕の最愛なる貴方はこの問いに答える事なく言葉を続ける。
が「お前に何もしてやれなかった。」
キ「そんな事….」
そんな事、言わないでください。
が「知ってたよ。お前の気持ち。ずっと。」
キ「…….」
薄々気付いていた。貴方が、僕の気持ちにわざと知らないフリをしている事を。
が「大好きって言われても、愛してるって言われても、全部、師弟としてだと、勝手に解釈して。」
が「でも、分かってたんだよ。全部。」
が「ごめん、辛かったよな。」
貴方は強く、僕の事を抱きしめた。
キ「別に、気付かなくても良かったのに。」
あぁ、師匠。やっぱり貴方は優しすぎる。
貴方は貴方の為に生きれば良い。
僕の事なんて、放っておけば良かったんですよ。
そうすれば、これも、全部、
キ「そうすれば、ただの片思いで済んだのに。」
この、人たらし。
今だって、後ろから抱きついて、僕の鼓動を加速させる。
だからって引き剥がしたりなんかしない。
これが、最後だと思ったから。
これが終わってしまったらもう近付いてはいけない。
この人の隣は、僕じゃないんだ。
こうして、俺の初恋は終わりを迎えた。
幸せでした。貴方の隣にいられて。
でも、最後にこれだけ言わせてください。
「大好きでした。」
〜end〜
その後のお話。
し「よーいしょっ!バンッ」
お互いに落ち着いて、そろそろ解散をしようとしていた時の事だった。
廊下には見覚えのある顔が2つ並んでいる。
雨「よぉ」
し「ガリガリ君を引き取りに来ました〜♪」
雨「俺はそっちのキラリの方に用事が。」
高等部:1年Bクラス、椎神羅粋 浦咲零。
通称獣コンビ。
し「って事で行くぞ〜りんと〜」
が「分かったから髪を引っ張るな!?」
し「はっはっはっ…耳の方が良かったか?」
が「ごめんなさい」
なんやかんやしているうちに師匠は椎神先輩が連れ去って行ってしまった。
雨「さ、俺らも行きますか。」
キ「はーい。」
キ「あの〜、」
俺の事を連れ去った癖に道中一切喋らない浦咲先輩に痺れを切らして”仕方なく”俺から話を切り出す。
雨「ん、なんだ」
キ「俺何処連れてかれるんすか。」
雨「山華輪のとこ」
キ「え、なんで浦咲先輩が?俺自分で行きますよ。」
雨「大丈夫だ。連れてくる様言われてるからな。」
キ「えぇ、でもほら、お時間取らせちゃってますし、、、」
雨「….うるさい。」
あれ、可笑しいな、照れてる???
キ「俺の事りらのとこに連れて行く理由、りらに会いたいからだったりするんですか〜?」
って事で人の色恋沙汰大好きなキラリちゃんは少し踏み込んだ事を聞いてみた☆
雨「….なんか悪いか。」
キ「え、その反応は」
雨「ん?」
キ「な”ん”で”も”な”い”で”す”」
この一言で”何も言うな”という意図を汲み取った(オーラに打ち負かされた)俺は穏便に済ませる事にした。
てかなんでりらの所に俺が行かなきゃ行けないんだ、、、直接来いよ、、、
そんな事を考えていたのも束の間、ふと顔を上げると。
り「浦咲せーんぱい!!」
……この瞬間に全てを察した。
コイツ…先輩と喋る口実作ってるだけだ。
雨「はい。霧沢連れてきたぞ。」
り「ありがと〜!」
雨「どーいたしまして」
浦咲先輩、アナタ笑えたんですね。
てかりらに会ってから表情緩んだな。
両片思いかよつまんな。おもんな。
雨「てか、浦咲先輩だと長いだろ。」
雨「雨零で良いよ。」
り「雨零、、、先輩?」
雨「うん。」
いや浦咲先輩(8文字)も雨零先輩(7文字)もほとんど変わんねぇよ。
絶対距離縮めたいだけだな。
ちっ、両片思いかよつまんな。おもんな(デジャヴ)
り「うーん。あ、」
り「雨零さん…でも良いですかね?」
雨「…お好きにどーぞ。」
キ「あー…無意識か、りら。」
り「なーにが☆」
キ「なんでもねーよ。」
変なとこで鈍感なんだよなコイツ。
キ「アンタも大変ですな。零。」コソッ
雨「……お前だけが頼りだよ。キラリ。あと先輩には敬語を使おうな。」コソッ
はあぁ、、仕方ねぇ手伝ってやるかぁ。
り「んじゃ、キラリ一緒帰んぞ。」
キ「すまん俺今からばあちゃんち」
り「は?俺に1人で帰れっていうのか?」
キ「えぇ、、あ、浦咲先輩と帰れば?」
雨「え、俺?」
キ「んじゃ後は頑張れよ〜。零」コソッ
雨「はぁ、ありがとな。…あと先輩には敬語を…」コソッ
キ「そんじゃばいばーい」
り「え、ちょ、」
雨「…一緒帰るか?」
り「!…はい!」
いや〜、良い事した☆
やっぱ俺はこの立ち位置が一番合ってるわ。
また、次の恋探さなきゃな。
好きな人が出来たんだ。(おまけ)ー完ー