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──────いえもん視点──────

こんな感じでトントン拍子に話は進み、この街は廃村、ということになった。ビビさんは、丁寧に仲間たちのお墓を作る。魔法は使わず、手作業だ。


「お墓なんか作って何になるんですかね…」


俺達が静かに、そして手伝っている最中、ぜんさんはそんなことをぼそりとつぶやく。彼には理解できないのだろう。愛する人の死がどれほどまでに残酷なのか、自分がどれほどの罪を犯したのか。もっとも、俺はぜんさんにそんなことは言えない。何故ならば俺も何人もの人を殺めてきたのだ。1人だろうが、100人、1000人だろうが、命を奪ってきたという事実は間違いないのだ。ふと、手を見てみれば一瞬、ドロリとした赤い液体が手に絡みついているように見える。しかし、俺が瞬きひとつすればそれは消える。罪を犯した罪悪感なのか、それとも違う何かなのか、それは俺が知ることが出来ないものだろう。


「それはね〜わたし的には死んでしまった人を天国に送るためじゃない?」


ひなさんがぜんさんのつぶやきに反応する。そして、満面の笑みでそんなことを言う。その隣で悶えている彼女の兄はおいておいて、それも一理あるな、なんて思う。

天国…あるのだろうか。当然だが見たことがないため、にわかに信じ難い事だ。まあ、そんなことをいえばルカさんから猛クレームが入るだろうから黙っておく。


「天国…ですか。地獄の間違いだと思いますけどね。」


めめさんが皮肉った笑みを浮かべながらそんなことを言う。それを聞いたひなさんはムッとなって言い返す。


「天国はあるよ!みんなが幸せで、楽しく暮らせる世界が!」


まるで子供の駄々っ子のようで腕をブンブン振り回しながらそんなことをいえば、少し笑いが漏れてしまう。ルカさんに殺意のある視線が向けられたような気がするが、気にしないでおく。


「んー…あるにはあるけど〜」


先程までお供え物を用意していたメテヲさんが話に割り込んでくる。そういえば、この人悪魔と天使の力を使えるんだった。

…え?天使と悪魔が存在するなら天国とかもあるのでは?とこの瞬間、意外な人物によって判明する。灯台もと暗しとはこのことだ。


「そういえばメテヲさんは知っているんですもんね。それで、実際にあるんですか?」


ふわふわのしっぽを揺らしながら菓子さんがそうメテヲさんに尋ねる。メテヲさんは困った素振りをして、苦笑いをする。


「んー…知らない方がいいこともあるんじゃない?知ってても、得は無いし、死んでからのお楽しみってことで〜」

「それは私も同感ですかね〜。特に面白い話ではなかったですし」

「心を読むな定期」

「無意識に読んでるので許してくださーい」


メテヲさんが否定的な意見を出せば、れいまりさんはそれに便乗する。面白いことならなんでも暴露するれいまりさんなのだ。そこまで面白い話ではなかったのだろう。ならばこの話題は置いておいていいかもしれない。


「お墓…出来ました。」


ぜんさんとの戦い(と言っても一方的にねじ伏せられていたが)とは違い、落ち着いてはいるが、不安げな表情をしている…、つまり、一番最初にあった時と同じような感じの雰囲気を感じ取れた。


「それじゃあ、火、つけるよ〜」


メテヲさんがそう宣言すれば、ポケットからライターを取りだし、線香に火を灯す。すぐに煙がたち、線香の後ろが白く濁ったかと思えば、すぐに煙は消え、また煙が発生して…を繰り返していた。俺は軽く手を合わせ、目を瞑る。

どうか、彼らが安らかに眠れますように…。


そう願えば、風が無理だね、と嘲笑するような風切り音が聞こえたような気がした。

多分気のせいだが。


そこそこの時間が経ち、祈りを中断して、最後にお供え物を添える。みな、身につけているものや、持っていたもの、山菜など様々なものをお供えする。俺は茶葉にした(もちろん袋に入れて)。天国で暇しないように、喉を潤えるように、そう願って。しかしこの後、お湯がなければ飲めない、と言われ、渾身のミスをした、と反省した。


この後さっさと城へと戻り、ビビさんを山へと送りだす。ガンマスさんは快く快諾してくれて、無事、森の一員となっていた。ちなみに、ぜんさんを探しに行った面々はバラバラな時間に帰ってきては、私達意味なかったじゃーんと不満気な様子だった。


「えぇ!?ぜんさん、人間食べちゃったんですか!?」


全員が集まり、ぜんさんが無事、めめ村として帰ってくると、開口一番に、レイラーさんが驚きのあまり、すっとんきょんな声で叫ぶ。初めてレイラーさんの叫び声を聞いた気がする。


「?うん、食べたよ。だってぽれ、くまだよ?」

「体は…体は大丈夫なんですか?」


ぜんさんが変な一人称でそして、当たり前かのごとく非常識なことを人間を食べる言い訳に使う。みぞれさんはオロオロとしながら、ぜんさんの心配をする。さすが優しい枠。


「あー…等々食べちゃったか。」

「まあ、私はやると思いましたけどね?」


ラテウパによる、謎の自慢が始まったが、それは無視を決め込む。これについて話し始めたら結論、喧嘩or口論だ。やめておいた方がいい。


「別にいいじゃないですか。それに、食べたのは人間だけじゃないです!ほかの種族も食べてますから!」

「え”ぇ!?もしかして、わたす食べられちゃう!?」


ぜんさんがポロリととんでもないことをいえばつかさず、茶子さんは己の身を守ろうと、数歩引き下がる。


「ひかないでください!?生きるためには仕方がなかったんですってぇぇえ!!」


ぜんさんの絶叫が城中に響き渡った。














ここで切ります!!よし!!!あと1話で100話達成です!!いや〜感慨深いですね…。まさか、仲間集めだけにこんなに時間がかかるとは思いもよらなかったです。衝撃の事実。話変わりますが、100話記念イラストの構図とか、どうするかとかめっちゃ悩みました…。ウパラテ2人入れようとした構図を5枚くらい書いたんですが、どれもしっくり来なくて、結局ラテそんのソロ絵になっております。これはしゃーない。許せ。これからも頑張っていきますので!完結まで、応援よろしくお願いします!!


それでは!おつはる〜!!

一明日を見るためにー

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100話以内に仲間が集まる気がしない人だって居るんですよ!

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