テラーノベル
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「子供なんて育てるだけ損だね」
祖父の通夜のあと、しんみりした空気の車で17の私が聞いた母親の言葉は今でも忘れない。
蛇のように巻きついている。
鯉の群れのように私の行く手を挟む。
母親は時々、私をペットより雑に扱う。
猫の具合が悪いらしいとだけ言うものだから「どうしたらいい?」と聞くと、
「だから具合が悪いみたいだから何とかしろじゃなくて、水とか餌こまめに見てねって言ってるの。人の話は最後まで聞きなさいよ。」
と怒り、ペットにはいつものような甘やかしっぷり。
貸した金も返ってくるのはほんの少しで。
母親は平気な顔で数時間友人と通話をするくせに私が話しながら夕飯を食べているだけでまだ食べ終わらないのかと怒る。
正常では無いものの、これが通常。
「あなたは宝物だから」
少しでも信じた私は間抜けだろうか。
それでも母親だからと喜ばせようとするのはお人好しだろうか
もう死んでしまいたいと思いながら。
今日もまた、辛い思い出を思い出し。
腐った頭で考え、病んだ心で感じ取り。
今日も私は眠りに落ちる。
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