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#普通
野々さくら
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ありあ
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浦添家を後にした一同は、古海商店街をゆっくりと歩いていた。
信愛がぽつりと呟く。
「やっぱり霊貴冥孤は詐欺師だと思って良さそうだね」
焔垂は軽く頷いた。
「ああ、十中八九な
いや、 九分九厘詐欺師だろ」
朝陽は表情を引き締める。
「でも問題は、その事をどうやって
赤迫先生に伝えるかですよね」
信愛も腕を組んだ。
「それなんだよね〜・・・」
重たい空気を振り払うように、茜が両手を広げる。
「ねぇ、信愛〜・・・」
信愛が振り向く。
「ん?」
「とりあえずどっか店に入らない?
暑くて死にそうなんだけど〜・・・」
ハンディファンを顔に向けながら、大げさに肩を落とす茜に信愛も苦笑する。
「確かに今日暑いよね」
朝陽がスマートフォンを確認しながら言った。
「今日の最高気温は30度らしいですからね」
さくらは思わず顔をしかめる。
「さんじゅうど〜? どおりで暑いわけだよ」
茜は信じられないといった様子で空を見上げた。
「まだ6月だよ〜・・?」
そして呆れたように続ける。
「6月でこの暑さとか、どうなってんの?」
信愛は周囲を見回した。
「なら、とりあえずファミレスにでも入るっか」
茜は勢いよく手を挙げる。
「さんせぇ〜♬」
さくらも賛成する。
「ドリンクバーでも頼んで
今後について話し合いたいね」
「そうしよう」
一同がファミレスへ向かおうとした、その時だった。
「ん? あれは?」
信愛の足がぴたりと止まる。
茜が不思議そうに首を傾げる。
「ん? どうかした?」
信愛は通りの向こうを指差した。
「あれってさ・・美月先生じゃない?」
さくらも目を凝らす。
「あ、本当だ」
信愛が見つめる先には、美月の姿があった。
「男の人と一緒みたいだね」
さくらが目を丸くする。
「まさかの彼氏?」
焔垂は二人の様子をじっと見つめ、小さく首を振った。
「そうか? そんな雰囲気じゃないけどな」
朝陽も二人の様子を観察しながら呟く。
「なんか言い合いしてる雰囲気ですね」
◇ ◇ ◇
信愛たちが見つめる先では、美月が一人の青年と激しく言い争っていた。
「累!いい加減にしなさい!」
美月の声が商店街に響く。
美月の弟・累は眉を吊り上げ、吐き捨てるように言い返した。
「姉貴には関係ねーだろーが!」
「何言ってんのよ!」
美月は一歩踏み出す。
「借金までして!あんなインチキ霊能者に──」
累は苛立ったように顔を背けた。
「姉貴には分かんねーよ」
俯いたまま、小さく呟く。
「俺の気持ちなんて・・・」
「累・・・」
美月の表情がわずかに揺れる。
累は拳を握り締め、震える声で叫んだ。
「沙月が死んだのは俺のせいなんだ!」
美月は即座に言い返す。
「だから何であんたのせいになるのよ!」
しかし累は首を横に振った。
「だから話すつもりなんてねーっつってんだろ!」
そう言い残すと、美月の横をすり抜ける。
「もうガキじゃねーんだ!放っといてくれよ!」
吐き捨てるように言うと、そのまま累は駆け出して行った。
「ちょ、累!」
美月も慌てて後を追おうとする。
「待ちなさい!」
だが人混みの中へ消えていく背中を見失い、美月は足を止めた。
「まったくもう・・何考えてんのよ!」
深いため息をつく。
その様子を見守っていた信愛は、おそるおそる声を掛けた。
「あの・・・美月先生?」
美月は振り返ると、信愛たちの姿を見つけ、苦笑を浮かべた。
「あ、白縫さん・・それにアナタ達まで・・」
少し照れくさそうに肩をすくめる。
「恥ずかしいところ、見られちゃったわね」
信愛は遠慮がちに尋ねた。
「さっきの人って・・・」
美月は小さく頷く。
「話したでしょ?あれが私の弟の赤迫累」
信愛は思い出したように口を開く。
「弟さんって霊貴冥孤に・・・」
「ええ・・・」
美月は疲れたような笑みを浮かべた。
「あいつったら懲りずに、 また
霊貴冥孤の店に行くって言い出してね」
信愛は真剣な表情になる。
「その霊貴冥孤の事で、美月先生に
どうしても聞いてもらいたい話があるんです」
美月は少し驚いたように目を見開く。
「私に?」
その言葉に、その場の空気が静かに張り詰めた。
コメント
1件
うわ、この展開は気になる…!霊貴冥孤の詐欺疑惑が確定的になってきたところに、美月先生の弟さんまで関わってるんですね。「沙月が死んだのは俺のせい」って叫びながらも「ガキじゃねーんだ」って突っぱねる累くんの心情、切ないです。そして信愛たちがどうやってこの事実を伝えるか、ってところで終わるもんだから次が気になって仕方ないです。伏線がじわじわ繋がってきてますね、×××さん。