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第110話『歴戦の重み』
中華連合武闘場。
準々決勝・第三試合。
呉鳳明
VS
項燕
呉鳳明が一歩踏み込む。
相手の間合いを崩すような鋭い動き。
項燕は冷静に迎え撃つ。
二人の攻防は一進一退。
互いに一歩も譲らない。
観客席では李牧が静かに語る。
「呉鳳明将軍の読みは正確です。」
「ですが、項燕将軍は経験でその先を読んでいます。」
王翦も頷く。
「長年戦場で生き抜いた者だけが持つ勘だ。」
呉鳳明は間合いを変えながら攻め続ける。
項燕は受け流し、反撃の機会を待つ。
そして、その瞬間は訪れた。
呉鳳明が踏み込んだ刹那。
項燕は半歩だけ踏み込み、呉鳳明の攻撃を外側へ流す。
「しまっ……!」
呉鳳明の体勢がわずかに崩れる。
項燕は追撃をためらわない。
掌底が呉鳳明の胸元へ正確に入る。
ドンッ!!
強烈な衝撃。
呉鳳明の身体が後方へ吹き飛ぶ。
地面に倒れ込む。
「ぐっ……!」
立ち上がろうと腕をつく。
しかし、視界が揺れる。
項燕は静かに構えを解かず、見守る。
呉鳳明はもう一度立とうとした。
その直後。
力が抜け、その場に崩れ落ちる。
意識を失った。
審判がすぐに駆け寄る。
「試合終了!」
「呉鳳明選手、戦闘続行不能!」
実況が高らかに宣言する。
「勝者――」
「項燕!!」
武闘場は大きな拍手に包まれた。
医療班が駆け寄り、呉鳳明を慎重に運び出す。
項燕はその姿を見送り、静かに一礼した。
「若き知将よ。」
「見事な戦いだった。」
観客席では、李牧が安堵の表情を浮かべる。
「命に別状はありません。」
「しばらく休めば回復するでしょう。」
李丙が壇上に立つ。
「準々決勝第三試合終了!」
「勝者、項燕!」
「いよいよ準々決勝、最後の試合!」
蒼厳(龍)
VS
じゃぱぱ(虹)
黒龍大戦では同じ陣営として戦った二人。
今度は、それぞれの国の誇りを懸けて相まみえる。
#リゼロ
すず
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コメント
1件
第110話、読み終えました。項燕将軍の「経験でその先を読む」という老練さと、呉鳳明将軍の若さゆえの鋭さが胸に響く一戦でしたね。項燕が倒れた相手に一礼して「見事な戦いだった」と称えるあの静かな姿勢に、歴戦の重みを感じました。次は蒼厳さんとじゃぱぱさん…黒龍大戦の戦友同士が相まみえるのも、また違う熱さがありそうです。続きを楽しみにしています🌷