テラーノベル
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僕は冴えない唯の高校生。
勉強も平均以下、運動もまともにできない。
クラスの人たちからは特に興味を持たれていない。
けど、そんな時喋り掛けてくれた人がいた!
「おーい!幽雅!」
この人、最近転入してきた子で、名前は…なんだったかな。
まぁそんなのはなんでもよくて。
この人はこんな僕にずっと喋り掛けてくれて仲良くしてくれてる。
そんな、一人の友達。
ーーーーーーーー
家に帰ったら、お父さんがいた。
別に血は繋がっていない。
「おぉ、幽雅じゃん。」
お酒でかなり酔っているようだ。
「なぁ、酒買ってきてくれよ。もう一つしかなくてさぁ。あとついでに煙草も。19番な。」
「ちょっと、いい加減にしてよ。買えないって言ってるじゃん。」
今日は絶対に断ってやる。
「あぁ?お父さんにそんな舐めた口きくのかぁ?おっそい反抗期だなぁ笑」
そう濁してくる。
「そうじゃなくて!僕はもう金輪際そのお願い聞かないから!」
「はぁ?おいおい、それは無いだろ。なぁ、幽雅?」
お父さんはギラついた目で僕を見た。
あ、これはやばい。
僕は咄嗟に鞄の中の教科書を手に取って、お父さんの頭目掛けて殴った。
ガンッ
そんな醜い音が響いた。
お父さんは気絶をしていて、床に惨めに倒れていた。
いまなら、殺せる?
僕は無意識に筆箱の中にあるカッターを取り、それをお父さんに向かうように刃を出した。
チリリリ
そして今、頸動脈目掛けて刃を食い込ませた。
ぐぐぐっっ…ぷちっ……
お父さんの汚い血が、一気に溢れ出した。
首に手を少し当てると、もう脈が薄くなっていた。
確実に、死んだ。
それを確認したとき、体の力が抜けた。
その時、インターホンが鳴った。
やっと殺せたのに、なんだというのだ。
僕は、自分の至る所に血がついているのを忘れたまま玄関へと向かった。
ーーーーーーーー
「はい…」
玄関を開けると、たった一人の友達が立っていた。
「幽雅!急にごめんな!お前に渡したいものあってさぁ!とりあえず中入ってもいい?」
え、
「あ、いやちょっと今は…」
「そうかー…って!お前それどうした⁉︎」
「んぇ?……ぁ。」
自分の手には、鮮血が付いたカッターナイフ。
「どうした⁉︎もしかしてウワサのじしょーなんたらか⁉︎」
いや、違う!違うよ!けどバレたく無い…
この雑頭…!!
「どうした幽雅!見せてみろ!」
僕の手に、その人の手が絡みついた。
その瞬間、手を何かにべろりと舐められる感触がした。
そう。この目の前にいる人が僕の手を舐めていたのだ。
「ぇ?」
「んぇ?どぉした幽雅?」
さも当たり前かのように舐めているので、これが普通のコミュニケーションなのかと錯覚してしまいそうになる。
数分経った時、手は解放された。
「ふー、それで、なんでお父さん殺しちゃったのかな?」
急に目の前の友達が真剣な眼差しでそう言ってきた。
「ぇ、なんで、ばれて、」
「バレても何も、最初からきづいてたよ?幽雅さぁ」
「じゃあなんで気付いてないフリ…」
「ん〜…それ聞いてもしょうがなく無い?後でキミこの世界とはおさらばだし?」
おさらば?おさらば?どういうこと?
「まぁいいや、ついてきてくれる?」
その圧には何も物申させないほどの威圧感があった。
「ぁ、はい。」
ーーーーーーーー
それは一瞬だった。
瞬きをした瞬間に、周りの景色が変わった。
どこか仄暗い場所。
「ねぇ、あの、ここどこですか…?」
「俺鬼瓦古雅。古雅でもなんでもいいから。あと敬語やめてね。」
「ぅん、?」
初めてこの人の名前を聞いた。
どうやら、鬼瓦くんというらしい。
ちょっと名前で呼ぶのはしつれいかなって…
話を聞くと、どうやらここは断罪場というらしく所謂裁判所的なところらしい。
え?僕異世界で殺されるの?
絶対酷い方法で殺されるじゃん!
僕そういうの自分がやるのは無理なんだけど!?
「もういいかな、これ出しちゃっても。」
そう鬼瓦くんが言うと、ぽんっと軽い効果音と共に鬼瓦くんの頭からサイズが小さめのツノが出てきた。
あぁ、鬼瓦くんって鬼だったんだ。
名前からしてそうだよね、うん、もうなんでもありなんだ。
「取り敢えず死刑はならないと思うよ。あっちも相当酷いことしてきたんでしょ?ならいいんじゃあない?」
わぁ、慰めてくれてる。
意外に優しいんだね、鬼瓦くん。
「ありがとう…」
「うわっ、なんで泣いてんのさ、きたなっ」
やっぱ酷いや…
暫く時間が経つと、ようやく断罪場に立つことになった。
ーーーーーーーー
「これから、空蝉幽雅の裁判を行う。」
それから、話は着々と進んでいった。
僕は一応死刑にはならなかったけど、罪を犯した所為で半妖というものにされてしまったらしい。
まぁ、何が何だかよくわからないけれど鬼瓦くんが一応庇ってくれたらしい。
「ここに訴訟の終了を宣言する!皆退出せよ!」
裁判官らしき人がそう皆に告げたことによって、どうやら終わったらしい。
ーーーーーーーー
帰り道、というか道を鬼瓦くんと一緒に歩いていると、ふと声をかけられた。
「帰る家、無いよね。」
「あ…」
すっかりそのことを忘れていた。
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ruruha
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#オリキャラ
コメント
3件
読了しました……! 最初は「やっとできた友達」っていう温かい空気なのに、家庭の闇が一気に広がって、読んでて息が止まりそうでした。特に「♡♡♡る?」って無意識に思っちゃう幽雅の心理描写、すごくリアルで怖かった。 で、唯一の友達だと思ってた鬼瓦くんが実は全部知ってて、手を舐めてくる異常さ……あのシーン、ゾッとしたけど目が離せなかったです。 最後の「帰る家、無いよね」って台詞、優しさなのか罠なのかまだ読めなくて続きが本当に気になります。せみりんごさんの描くダークな世界観、とても好きです。次話も楽しみにしてます🌙