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sr視点
「ねぇー翔さーん…KAITOさんとkamomeさんまだ来ないのー?」
今日はメンバーみんなで遊ぶ約束をしていた…のに
「あいつらが今日遊ぼうって言うてきたのに…なんであいつら遅刻すんねん」
翔さんは口を尖らせて目の前の景色を睨みつける
僕は暇になってふとYouTubeを開いた。
…そこには衝撃的なものが待っていた。
おすすめ欄に出てきた黒いサムネに大事なお知らせと書いてある、いかにも脱退や引退などを匂わせるサムネ。
その動画の投稿主は____なろ屋さんだった。
「えっ…?」
「ん?どうしたんやそらくん」
翔さんが軽く笑いながら聞いてくる
「翔さん…!!これ…!!見て…!」
そう言ってスマホの画面を見せる
「なろっち…?」
とりあえず、動画を見ようと震える手でサムネを押す。
『はいどうもいらっしゃい!なろ屋です!』
動画を開くといつものなろ屋さんが居た。
そこからしばらく動画を投稿していなかったことに対する謝罪や、めろぱかについてを話していた。
なんだ、と安心していたのも束の間。
なろ屋さんが声のトーンを落として息を吸った
本題に入ります。そう告げて言葉を発する。
『僕はYouTubeを引退します。』
スマホから流れてくる音声を理解するには数秒掛かった。
「…引、退…?」
僕の声は驚くほど震えていてまるで自分の声じゃないみたいだった。
だってあんなに活動熱心ななろ屋さんが活動をやめるなんて…
僕は生涯YouTuberだ、と笑って話していたあのなろ屋さんが…
信じられなかった。きっとこれは悪い夢なんだと思った。
ただ現実はそう上手くはいかない
ふと翔さんを見るとさっきまであんなに明るかった顔が青ざめているのが一目で分かった。
どうして、なんでそんな気持ちが頭の中をぐるぐるしていた。
「…悪いそらくん、ちょっとお手洗いに行ってくる。」
翔さんじゃないみたいな声だった。俯きながら翔さんはお手洗いの方行く。
数分後、翔さんは普段では考えられない青ざめた今にも死んでしまいそうな表情で戻って来た。
翔さんの目元と鼻は赤くなっている
きっと泣いたんだろう、そう一目で分かった。
KI視点
「やべっ!!」
やらかした、今日メンバーと一緒に遊ぶ約束をしたんだった。
布団から飛び起きた時すでに集合時間よりも30分遅れていた。
急いで身支度をして電車に乗る。
ちょうど通勤ラッシュは通り過ぎた時間帯で車内はガラガラだった。
ドア近くの席に腰を下ろしてぼーっとしているとメンバーに連絡するのを忘れていたのに気づいた。
急いで連絡するが既読は一向につかない。
30分も遅れちゃったしみんな怒っているのだろうか
…いや普段平気で1時間くらい遅刻してくる奴らが30分で怒らないか…