テラーノベル
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飛鳥は遠い過去を思い返すように口を開いた。
「鈴蘭はみんなから恐れられてたの」
信愛は思わず聞き返す。
「恐れられてた?」
飛鳥はゆっくりと頷く。
「人の心を掴むのがとにかく上手かった
っていうのもある。でもそれだけじゃない」
言葉を選ぶように続ける。
「鈴蘭の親は、この辺りじゃ
かなり有名な地主でね
その影響力は学校にも及んでて」
誰も口を挟まない。
「教師たちですら迂闊に手を出せなかったの」
その一言に、場の空気がさらに重くなる。
「だから鈴蘭は、自分の気に入らない教師がいると
セクハラをでっちあげて辞職に追い込んだり
妊娠していた先生を他のヤツ使っていじめたり」
話を聞いていたさくらが思わず声を上げる。
「まじで!?やばいヤツじゃん・・・」
飛鳥は苦く笑うこともなく、淡々と続ける。
「親の威光を自分の力みたいに
勘違いして好き勝手やってたの」
焔垂は信じられないという表情で呟く。
「あの三瓶先輩が・・そんな事を・・・」
茜も焔垂の横顔を見つめ、言葉を失っていた。
飛鳥は少し間を置いてから続ける。
「でも、そんな鈴蘭の思い通りにならない
生徒が一人だけ居た」
信愛はその先を察したように静かに尋ねる。
「それが・・・春日井千歳さん?」
飛鳥は静かに頷いた。
「うん・・・」
再び沈黙が流れる。
飛鳥はゆっくりと千歳という少女のことを語り始めた。
「千歳は幼い頃にお父さんを亡くしてるの
でも、そのお父さんは弁護士だったらしくてね」
信愛たちは耳を傾ける。
「千歳も、いつか弁護士になりたいって
憧れてたみたいだったから
だからこそ鈴蘭の傍若無人な振る舞いが
許せなかったんだと思う」
信愛は小さく頷く。
「なるほど・・・」
飛鳥はその言葉を待っていたかのように、静かに締めくくった。
「それからよ、鈴蘭の千歳に対する
いじめが本格的に始まったの」
コメント
1件
×××さん、こんにちは、寺島あおいです🌷 今回のエピソード、重くて苦しいけれど、だからこそ目が離せませんでした。飛鳥の口から明かされた鈴蘭の過去——親の権力を盾に好き放題する姿に、ゾッとしました。でも、そんな中で千歳さんだけは屈しなかった。幼い頃に父を亡くしながらも、弁護士を目指していた正義感が彼女を突き動かしたんだなと感じると、胸がぎゅっとなりました。 「いじめが本格的に始まった」という最後の一文、たった一行でこれからの展開への期待と不安が一気に押し寄せました。丁寧な過去の積み重ねが、今の物語をより深くしていると思います。続き、心待ちにしています📖
#普通
野々さくら
543
805
44
ありあ
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