どうも!お久しぶりです。
実は私れあ、少しの間風邪引いてましたので、今回もまた体不系です。
・体不系
kyとrtの話。
cp要素入れたつもりはありません。
╴ ╴ ╴
ky side
朝起きて一番に、喉に違和感を感じた。
まぁこの季節だしよくあるだろうと思い、その日は気にせず一日を終えた。
翌朝。
前日の喉の違和感は痛みを感じる程に悪化、加えて倦怠感と頭痛に襲われた。
あぁ、風邪だ。体温を計らずとも分かる。
一応計ってみると、表示された数字は確定で風邪だった。
最悪だ…今日動画撮る予定だったのに…。
流石に実況撮るほど元気ではないため、大人しく寝ようとした時、
〔ピンポーン♪〕
不意にインターホンが鳴った。
居留守しようかと思ったが、諦めが悪いのか、執拗に鳴り続ける。
面倒くさくて、向こうが諦めるまで待とうとしたが、そんな気配は毛頭ない。
結局俺が折れて、出ることにした。
「ったく…こっちは病人だっつーのに」
顔も見えない相手に毒づく。
フラフラとした足取りで玄関まで向かい、冷たいドアをもたれ掛かるようにして開ける。
「───…へ?」
執拗にインターホンを押していた人物を目の当たりにして、思わず情けない声が出る。
「ん?キヨくんなんか顔赤ない?」
「れ、と、さん…!?」
見慣れた友人…であるレトさんが、俺の顔を凝視する。
「あ…ちょっと、熱あって…」
「え、マジ?インフル?」
「いや、インフルとまではいかないんだけど…」
「ふぅん?でも熱はあんのね。何℃?」
「…」
「何、言えんの?」
「さ、37℃くらい…?」
心配かけないよう、少しだけ盛ったが、バレたのか怪訝そうに見つめられる。
「ねぇキヨくん、家の鍵貸して」
「…は?なんで?」
「いいから」
「…?」
レトさんの意図は気になるけど、そろそろ体がしんどくなってきた気がするので、丁度玄関にあった鍵を素直に渡す。
「じゃ、お前は寝とけよ」
「え」
そう捨て台詞を吐いて、レトさんはどこかに行ってしまった。───「どこ行くの」と聞く暇もなく。
暫くボーッと何も無い空間を見つめる。
「えぇ…?」
何が何だか分からないが、体温が上がってきている気がするので、言う通りにベッドに潜り込む。
───何がしたいんだろう、あの人。
考えているうちに、睡魔が襲ってくる。考えるだけでもしんどいので、俺はそのまま眠気に身を任せ、目を閉じた。
目を覚ますと、部屋はさっきよりも薄暗くなっていて、体も大分楽になっていた。
「はぁ…結構寝た…?」
「そういえばレトさんは…───ってうわっ!」
ベッドから出ようとした時、ビックリして思わず声を上げる。
レトさんが床で、ベッドにもたれ掛かるように座って静かに寝ていた。
なんでレトさんが…!?───って、鍵渡したからか…。
「おーい、?レトさん?」
肩をとんとんと叩くが、起きる気配はゼロ。
そっとしておこうか起こそうか迷っていると、ベッド横の机に、見慣れないコンビニ袋が置いてあるのが見えた。
俺はこんなの置いた覚えは無い。でも、俺だってそこまで鈍感じゃない。
「ん…あ、キヨくん…おはよぉ」
レトさんが寝起きな声で言いながら、体を起こす。
「あ、おはよ。レトさん、あの袋って…?」
「ん?…あぁ俺。病人には色々必要かなって」
コンビニ袋を振り返り、思い出したようにそう言った。
「だから、鍵…」
「そ、買いに行ったのにキヨくんに閉められて寝られたら本末転倒でしょ?」
レトさんが誇らしげに頷く。
「なるほど…」
そこでやっと初めて理解する。
わざわざ買いに行ってくれたなんて───
「優しい…」
思わず心の声が漏れる。
それに対し、レトさんはドヤ顔だ。
「感謝しろよー?」
「やっぱ優しくない…」
「ま、でも元気そうで良かった」
いきなりレトさんが、しんみりした声でいう。
「本気で心配したんやからね」
「もう、俺らもうおっさんなんだから、自己管理くらいしっかりしーや」
───…俺今怒られてんのか?
優しさからの、怒り…?
よく分からないけど、素直に嬉しい。
「好き嫌いせず野菜もしっかり採って…」
「ふふ…」
思わず笑いが零れる。
「何が可笑しい、こっちは真剣なんですけど?」
「いや…なんか、嬉しいなぁって…」
「うれしい?」
「うん。───大人になったらさ、”自分の為に怒ってもらえる”なんて事ないじゃん」
普通に怒られることはある。でも、心から俺の為を思って怒られたことはない気がする。大人になってから。
だから、なんだか嬉しくなった。
「へへ…」
「熱で頭おかしくなったか?」
この時、また体温上がり出していた気がするから、本当に熱でこんなこと言ってた可能性も無くはない。
この後、熱の方も頭の方も心配されて、付きっきりで看病された。
╴ ╴ ╴
『馬鹿は風邪引かない』って良く言いますよね。
あれ『風邪引かない』じゃなくて『風邪引いたことに気付かない』だと思うんですよ。
馬鹿は風邪引いても元気だし(馬鹿には限らないと思う)
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!