テラーノベル
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図書室の静かな空気に、ページをめくる音だけが響いていた。
窓の外では、春の柔らかい日差しが差し込み、本の文字を淡く照らしている。
「 また、君か。 」
俺の声に少しだけ驚いた顔をした君は、すぐに笑顔になった。
彼女はいつも通り、少しだけ照れたように目を細めている。
でも、その笑顔が胸の奥にじんわりと温かさを届けることを、俺は知っていた。
俺たちは、同じ時間を同じ場所で過ごしているだけなのに、
まるで運命に導かれるように、君を見るたび心がざわめく。
でも__
ページの向こうには、まだ見ぬ世界がある。
その世界で、俺たちはどんな景色を一緒に見ることができるのだろう。
そして、ページをめくるたびに、俺の心は少しずつ、彼女に近づいていく。