テラーノベル
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それからしばらくして、信愛、さくら、朝陽の三人が部屋へ戻ってきた。
部屋に入るなり、焔垂の表情を見た朝陽が口を開く。
「そんなに悲惨だったのかよ・・その祠って・・・」
信愛は静かに頷いた。
「そうなんだよ」
「何年も手付かずって感じだった」
朝陽も神妙な顔になる。
「一応、祠は元の位置に戻しはしましたけどね」
焔垂は苦笑しながら肩をすくめた。
「祠がそんな状態だったら、俺でもキレてるよ」
その言葉に場の空気は少しだけ和らいだ。
信愛はすぐに茜へ視線を向ける。
「でも茜? 大丈夫?気分悪いとか無い?」
茜はいつもの明るい笑顔を浮かべた。
「うん♬大丈夫♬もうバッチリ♬」
信愛は胸を撫で下ろす。
「そっか・・・なら良かった」
茜は思い出したように言葉を続けた。
「でも驚いたよ、この村に昔
奴隷制度があったなんてさ」
信愛も複雑そうな表情で頷く。
「だよね・・・」
すると焔垂が腕を組みながら口を開いた。
「でもさ、白縫さんが言った毒親に
育てられた子供って解釈が正しいなら
おじろくおばさが産まれた背景にある思想って
ヤツは今だに存在してるって解釈にもなるよな」
その言葉に、さくらは小さく息を呑んだ。
「確かにそういう見方もできるね」
信愛もゆっくりと頷く。
「今とか昔とか関係ない・・・今でも
おじろくおばさは産まれる可能性はあるって事だよね」
朝陽は悲しそうに目を伏せた。
「そう考えると、人間って残酷ですね」
信愛も静かに答える。
「そうだね・・・」
すると焔垂が何かを思い出したように顔を上げた。
「あ!そう言えば茜が魂に刻まれた
記憶を見た可能性があるってよ」
信愛は目を丸くする。
「え!?うそ!?本当!?」
茜は照れくさそうに笑った。
「まあ、薄っすらと見ただけなんだけど」
さくらが興味津々に身を乗り出す。
「どんな感じだった?」
茜はゆっくりと夢の内容を語り始めた。
「焔垂にも話したんだけどね?
畳の部屋で誰かが出産してる映像で
同じ部屋のラジオで変なの流れてたの」
信愛が首を傾げる。
「変なの?」
茜は思い出しながら言葉を並べる。
「帝国がどうとか、鑑みるとかなんとか
あと非常の措置がどうとか・・みたいな
なんか小難しい感じだった」
朝陽の表情が一変した。
「帝国、鑑みる、非常の措置、それにラジオ」
小さく呟いたあと、はっとしたように顔を上げる。
「朝陽くん?どうかした?」
さくらも心配そうに続ける。
「もしかして何か思い当たる事でもあったりする?」
朝陽はしばらく黙り込んだあと、慎重に口を開いた。
「もしかしたらそれ、玉音放送かもしれません」
「ぎょくおん?」
聞き慣れない言葉に茜は首を傾げる。
「ねぇ?朝陽くん?その玉音放送って何?」
コメント
1件
「おじろくおばさ」の背景に奴隷制度や毒親の話が出てきて、すごく考えさせられる回だったわ…。茜が夢で見た記憶が玉音放送の可能性って、歴史と民俗が交差する展開でゾクッとした。朝陽くんの勘の良さも光ってたし、この先どう話が繋がるのか気になって仕方ない🔥 続き楽しみにしてる!
#普通
野々さくら
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ありあ
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