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7話 〜美亜〜
「はぁ〜つっかれたー」
私、美亜は会議の後、部屋に帰っていた。
―この屋敷さ……テレビがないんだ―
―空も地面も全部黒いんだよ―
「なんで、違和感なかったんだろう」
テレビならばまだ分かる。
でも、空や地面が黒いという現象にはさすがに違和感を持つべきだと思った。
「あーあ、早く外に出たいなぁ…」
「外…………に…………?」
途端、とある記憶がフラッシュバックした。
「みんなおはよー!」
「…あ、また来たよ……」
「いい加減休めって…」
「あらおはよう██さん。また学校に来たのね。」
「うん!だって学校楽しいもん!」
「あらあらぁ、じゃあ今度こそ学校に来ようなんて思えないようにあなたと遊んであげるわ。」
「…あ……」
「……う、うん!わかった!」
「ゴホッゴホッ」
「あらぁ、それでくたばるのかしら?まだまだ続くわ…よっ!」
「ガハッ……」
「……お、お……おはよ…!」
「……また来たのかよ」
「懲りないなぁあいつも」
「っ……」
「学校を休みたい?」
「お願いお母さんっ…!毎日毎日蹴られたり殴られたりするの…!教科書とか筆箱も隠されたり…それに…それに…!」
「とりあえず、ダメよ。学校に行きなさい。」
「っ……」
「……この、記憶は…」
この記憶に私は居ない。
でも、どうしてこの記憶が脳裏に過ったのだろう。
この記憶は本当に私のものなのか?
もし、そうなのだとしたら、考えられる可能性は。
「私は、この記憶の中にいるかもしれない私とは別の姿をしている…?」