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#異世界ファンタジー
99
ガシャーン!ドッスーン!
シーソーで空高く飛ばされた三人は目の前に現れた大きな扉を突き破り、ゴツゴツした岩だらけの大地に投げ出された。
「うぅ……イテテテテ……。いったいここはどこなんだ?」
クロは、クラクラする頭を押さえながら起き上がる。
「ねぇ、あそこ!」
ウルフが叫んだ。見ると石造りの大きな門の下に、恐ろしげな三人の女が立っている。なんとその女たちの頭には、髪の毛ではなく蛇が生えていた。花子が呟く。
「……あれが……ゴーゴン三姉妹です……」
「よかった。ちゃんと目的の場所に着くように、飛ばしてくれたんだ」
クロが姉妹の方へ近づこうとすると、彼女が慌てる。
「……気をつけて……目を合わせると……石にされてしまいます……」
門の周りには、石の彫刻のようなものがゴロゴロ転がっている。つまりこれは……!?
クロたちはゾッとして、ゴーゴンと目を合わせないように後ろを向きながらおっかなびっくり門へ近づいた。
「ちょっと!あんたたち、どこまで歩いてんのよ!」
後ろ向きだった三人は、ゴーゴン三姉妹にぶつかってしまったのだ。
「す、すみません。でも貴女方と目を合わせたら、石にされてしまうと思って……」
クロは後ろを向いたままで、言い訳をした。
「あ〜ら、よくご存知ね。フフフ」
ゴーゴン三姉妹の一人が答える。さらに別の声が後を続ける。
「わたくしたちのように美しい三姉妹の顔を拝めないなんて、可哀想だこと。オーッホッホッホ。そんなことより、貴方たちだあれ?なにかご用?」
「俺たち、『楽ダ』を手に入れるために、アンドロマリウスを探しているんです。それにはまず、ゴーゴンを尋ねるように言われて……」
「『美人三姉妹のゴーゴン様』とお言い!」
ゴーゴンたちは口を揃えて言い放つ。
「は、はい。その美人様に会いにきたんです」
「それはそれは、ご苦労様ねっ。オーッホッホッホ」
「美人三姉妹様、アンドロマリウスはどこにいるのでしょうか?」
「オーッホッホ。アンドロマリウスの住む『バックレ城』なら、この門の向こうに建っているわ。ここまでたどり着いたご褒美に、詳しく教えてあげるわね。バックレ城の入り口に、『知恵の扉』と呼ばれる黄金の扉があるの。それを開けば、『楽ダ』を手に入れられるよ」
「知恵の扉!確か、雲外鏡が言ってたぞ」
いよいよ近くまで来たんだなと、クロたちは胸を高鳴らせた。
「ありがとうございます。じゃあ、早速行ってみようか」
さっさと門を潜ろうとすると、三姉妹がシャーッと飛び立ち行手を阻む。どうやら翼を持っているらしい。三人は目を合わせないよう、慌てて顔を背ける。
「フッフッフッ。甘いわね。この門は、ただでは通さないわ。どうしても通りたいなら、私たちと勝負するの。一人ずつ一対一でよ」
「オーッホッホッホ。クイズに正しく答えられれば、お望み通り通してあげるわ。でも間違えたら、貴方たちも石になるの。言っておくけど、世界一難しいクイズよ。オーッホッホ」
続いて今まで黙っていた別のゴーゴンがウルフを指名する。
「クスッ。さあ最初に末っ子の私と勝負するのは……そこの犬、貴方よ。クスクスッ」
「だから犬じゃないってば!」
「はい、時間切れ。残念ねぇ〜クスッ」
ウルフが考え始めて三秒も経たない内に、末っ子ゴーゴンが言った。
「えーっ、そんな〜」
ウルフは思わず振り返る。その瞬間、強力な光線を放つ末っ子の目を見てしまった。
「ギャアァ!」
彼の身体は、瞬く間に石へと変わっていく。ウルフは最後の力を振り絞り、クロたちの方へ振り返る。キョンとした瞳が、だんだん光を失っていく。
「ありが……とう……短い間だったけど、一緒にいられて……すごく楽しかったよ……」
「ウルフ……!」
クロと花子は彼に駆け寄った。
「フフフッ。そんなに悲しまなくてもよくってよ。貴方たちもすぐに石になるんだから。次は次女のあたしからクイズ。答えるのは……おかっぱちゃん、貴女よ」
「……答え……わかったけど……言わない……。口に出すの……イヤ……」
花子は顔を顰めて呟く。
「あ〜ら、残念。棄権するってことね」
次女ゴーゴンの目から降り注ぐ光線が、花子の目を捉えた。
「…………クロ……さん………………私たち…と…も……だち……」
最後まで言い終わらない内に、花子も石になってしまう。
「フフフフッ。あの犬と一緒に石になれたんだから、きっと喜んでいるはずよ!」
次女は満足そうに微笑んだ。
「クスクスッ。私たちの作るクイズは、世界一なのよ。貴方たちレベルで正解しようなんて、所詮無理な話よ、クスッ」
末っ子も誇らしげに笑っている。そして長女が、一際気取った調子で口を開いた。
「さすが私たちの妹たち。仕上げに長女のわたくしが、骸骨くんを二人の横に並べてさしあげましょう。オーホッホッホ」
クロの額から、一筋の汗が伝い落ちる。
彼は三つのクイズをいとも簡単に解いてしまう。幸運なことに、クロの大好きなものばかりだった。
「まあ、この子ったら何者なの?」
「何かズルでもしたんじゃないでしょうね」
次女と末っ子は、クロが正解したことが信じられない様子だ。しかし、長女は言う。
「オーホッホッホ。妹たち、お黙りなさい。約束は約束よ。さあ、つべこべ言わずにやるわよ!」
長女の合図で、ゴーゴン三姉妹は揃って閉じている門に向けて目から光線を放った。長い間閉じたままだったらしい門がゆっくり開いていく。
「オーホッホッホ。さあ、お通りになさい!」
クロは石になってしまったウルフと花子を振り返り、しばらく見つめていた。やがて決心したように足早に門を潜る。目の前には、天にも届きそうなほど巨大な城が聳えていた。
コメント
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第12話、拝読しました!ゴーゴン三姉妹、めちゃくちゃ強敵ですね…「目を合わせたら石」ってルールだけでハラハラするのに、クイズの難易度もエグい。“世界一難しい”って言ってたのに、クロがするっと解いちゃったのは痛快でした! でも何より、ウルフと花子が石になったシーンが胸に刺さりました…「ありがとう…短い間だったけど、一緒にいられて…すごく楽しかったよ」って、優しすぎるだろ…。泣けます。それでも前に進んだクロの決意、めちゃくちゃ応援したくなりました🦴✨