目を覚ますと辺りは真っ暗になっていた。体はまだ怠いままだが、動かせる程度には回復しつつあった。体を起こしリビングにいくと、3人がキッチンに立っていた。
「あ、宮舘くん起きた?おはよーさん!」
「おはよー舘さん!」
「…おはよう、舘さん。よく寝れた?」
「…おはよう…向井さん、ラウールさん、目黒さん。」
「舘さんが敬語外した!?」
「ほんまや!何があったん!?」
「あ、えっと…」
「俺が外させたの。ねー舘さん?」
「…うん。」
「へぇ…何があったのかは分かんないけど、ナイスめめ!」
「だろ?」
「ところで体調どう?」
「あ…」
「…熱測ろか。おいで。」
そう言う向井さんは俺をソファに座らせて体温計を手渡した。それを受け取り大人しく熱をはかる。
「…ぁ。」
「ん?どうしたん?」
「お粥、ありがとう…すごく、嬉しかった、から…お礼言いたくて…」
「!!…もぉー!」
「わぷ。」
お粥の件がすごく嬉しかったからお礼を言うと、向井さんはいきなり俺を抱きしめた。
「…ちょ、苦し…」
「めめから聞いたでー、嬉しいわぁ!ありがとなぁ!」
「…っ」
「照れてるん?可愛ええなぁー」
「やめ…」
「はーい、康二くんご飯できたよー」
「おー!ありがとなー。宮舘くんも行こか。」
「あの、熱測り終わった…」
「あっ、せやったな。何度やった?」
「37.4です。」
「んー…まだ下がらんなぁ…食欲ある?」
「…少しは。」
「よかった!じゃあご飯食べてシャワー浴びたらもう寝よか。…話は明日しよ。」
「…はい。」
「よし、ラウとめめも待ってるし行こか。」
そう言ってルンルンと歩いていく背中をぼーっと見つめる。
「宮舘くん?」
「あ、今行きます。」
「敬語ー!」
「あ、ごめん。」
頬を膨らませる向井さんに思わず笑った。
ご飯も食べ終わって、久々にシャワーを浴びて後は寝るだけになった。既に3人は眠りについていて、俺は目黒さんの部屋のベッドの上にいる。目黒さんは下に布団を敷いて眠っている。その目黒さんを起こさないようにベッドからでて、リビングに向かった。
リビングは真っ暗で、外から聞こえる車の音が響く。ソファに座って画面がついてないテレビをぼーっと見つめた。
「…あれ、舘さん寝てなかったの?」
後ろから聞こえる声に思わず振り返る。
「…ラウールさん。」
「どうしたの?寝れない?」
「…まぁ、そんなところ。」
「そっか。」
そう言ってラウールさんは欠伸をした。
「…眠たいなら寝たらいいのに。」
「うーん…確かに眠いけど、ここに舘さん残したら眠れなくなるし…」
「…」
「…明日が怖い?」
「…え?」
「そんな顔してる。」
「…」
「…違った?」
「…いや、合ってる。」
「でしょ?…人の感情読み取るのは得意なんだよね。」
「…」
「…このままぼーっとしてても明日は来るよ。」「…」
「熱、下がってないんだし、めめの部屋戻ろ。多分だけど、めめは舘さんが出て行ったの気付いてるよ。」
「…」
「…じゃあ俺は寝るね。おやすみ、舘さん。」
「…おやすみなさい。」
寝室に戻るラウールさんを見送り、またテレビをぼーっと見つめる。無意味だと分かっていても明日が来ないことを祈る。何を聞かれるのかが怖い。見放されるかもしれないことが怖い。ぐるぐると考えているうちにいつの間にか朝がきたようだった。寝不足で体がだるい、若干気持ち悪いし頭がまわらない。
「おはよー!宮舘くんもう起きたん?」
「…」
「…?おーい?宮舘くーん?」
「…っ、おはようございます、向井さん。」
「…」
「…何?」
「…寝とらんやろ?」
「っ…何で?」
「昨日より顔色が悪いし隈ができてる。」
「…」
「何で寝れんかったん?」
「…」
「…」
「…もう、いいじゃん。」
「へ?」
「…何でもない。帰ります。」
「はぁ!?ちょ、待って!」
向井さんが止めるのを無視して、俺は鞄を取り家を出た。
コメント
2件
舘さんの闇 深すぎ😭
舘さん体調は?!大丈夫なの🥲 続き楽しみにしてます☺️