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大体1時をすぎたころに俺の仕事は終わった。
今日も疲れたなと伸びをする。
元々お酒は強い方ではあるし、誰かと話したりするのは好きな方なため、この仕事はある意味天職かもしれない。
家に帰ったら何をしようか。
そんな考えと同時に、今日電話に出た子について思い返す。
いきなり知らない電話番号からかかってきたから、びっくりしたが話を聞く感じ、電話番号を間違えたようだった。
まぁHPには、ホストの電話番号も一応書かれている。
ちなみに言うとこの電話番号は、仕事用のスマホなので、基本的に営業外でかけられても、出てはいけないというルールがある。
というかそろそろHPを新しくした方がいいだろ。
そう思っているが、行動できていないのが現状だ。
電話の子は明日あたりに来るんだろうか。
それだったら少し、楽しみかもしれない。
俺自身、あまり人に興味を持つ方ではなかった。
が、今は興味を持っている。
不思議だ。
片付けも終わったから、店を出ようとする。
「あ、“Ruto”さーん!」
俺の源氏名を呼ばれ、振り返る。
するとそこには梨空こと狂生がいた。
「もう営業外だぞ笑」
「あ、そっすか」
そう少し笑いながら言うと、少し冷ために返された。
俺のメンタル強い訳じゃねぇぞ? と思いつつも、用件を聞く。
「あ、この後晴夜も誘って飲み行きません?つーか行くぞ」
どうやら飲み足りていないようだった。
まぁ今日は狂生、あまり指名されてなかったもんな。
晴夜も狂生よりかはあったかもしれないが、今日は少なかった。
遠目に片付けを終えて、髪やメイクをセットし直している晴夜を見る。
相変わらず、前髪だとかメイク命だなと思う。
そーゆうとこがいいとこかもしれないがな。
女の子の気持ちになれるという点で、メイクだとかの勉強はした方がいいとは思う。
メイクが終わった晴夜も誘い、俺らは飲みに行くことになった。
いつもの店で、いつもの酒を頼み、3人で乾杯する。
そしていつも通り、俺と狂生の勝負が始まってしまった。
「おいアルト!!今日こそはお前に勝つからな!!」
「はっ出来るもんならやってみろ。俺は酒くっそ強いからな??」
そう言って力勝負ならぬ酒勝負だ。
晴夜はまたかと呆れたように酒を飲む。
この空間はすごく楽しい。
だが 少しだけ、
物足ないとそう感じてしまう。
どうやら俺は、とてつもない強欲みたいだ。