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「バドラ…聞いたことがない」
「まぁ、そうでしょうね、私の存在は
国家機密ですから」
「それを俺に明かしても良かったのかな?」
「はい、余裕です」
…
「あなたの能力は研究済みだ」
その時、鰄郎は不利な状況に悩んだ
(まずいな、こちら側が相手の能力を
知らなくて、相手に一方的に知られている
状況か)
「あなたはなかなか特殊で困りました、
まさか能力を2つ所持しているなんて…」
鰄郎はその場から逃げ出した
「全く…諦めればいいものを」
ダッ!!
鰄郎は走りながら、治に電話をかけた
「すまない治君、今まずい状況なんだ、
増援に来てくれるかい?」
「…分かりました!場所はどこですか?」
鰄郎は、とある場所に立ち止まった
「あの路地裏だ」
「…分かりました!」
…しばしの沈黙が流れた
ガガッ!
「!!」
地面から、刀の刃が突然伸びたのだ
「避けれな」
ガコッ!!
「っ、これは」
「鰄郎さん、危なかったですね」
治が、黒い液体を拳銃に変え、発砲
したのだ
スタッ…
高い位置から、バドラは静かに舞い降りた
「あらあら、治くん、お久しぶりです」
「はぁ?あんた誰だ、知らないぞ」
「バドラ君、少し黙ろうか」
バドラの数メートル後ろの地面から、
刃がバドラの元へ突き進む
「反射…ですか」
バドラは難なくそれを躱した
「鰄郎さん、離れて」
治は、鰄郎の手を引いて走った
「おや、逃げるのですか?…いや、私は
罠にかかったのか」
バドラの頭上には、黒い球体が出現
していた
ボッ!!
黒い球体は炎を吹き出すと同時に、
針をバラまいた
完璧な攻撃に思われた、だが
「残念、私は世界初の能力3つ持ちです」
バドラに刺さるはずの針が全てを
粉砕された
「…残念ながら、あなたらの逃走路は
把握済みです。」
「…鰄郎さん、どうします」
2人は、武装した大柄な男数人に
囲まれていた
「さて、俺もそろそろ働くとしよう」
治は男の首を刎ねた
「…」
「鰄郎さん、俺は二度と負けませんよ」
「あぁ、いい決意だ」
それに怖気付いたのか、男達は一歩
下がる
「充分です、よく時間稼ぎをしてくれ
ました。」
そこに、バドラが現れた
「治さん…あなたのその黒い物質は
能力ではありません」
「黙れ、何も吹き込むな」
鰄郎は数十本の刃をバドラに突き刺す
直前で止めた
「鰄郎さん、あなたの能力はコピー、
反射のセットと、人の感情の程度を操る
能力でしたね、とても厄介です。」
「…」
(俺の中では、逆黒の幹部はほぼ特定
できている、噂で逆黒の幹部に、能力を
3つ持つ者がいると言う噂を聞いたことが
ある、恐らく、それがこいつか)
「今日は朝食を抜いてきたので、お腹が
空いているんです、なので最後に
仕事をして終わるとしましょう」
バッ!
バドラが指先から黒い液体を垂らすと
そこから周り一帯暗黒となった
「鰄郎さん、何も見えませんよ…
どうしましょう」
突然、暗闇に柱状の炎が出現した
「少年漫画のようでしょう?」
鰄郎は、覚悟を決めた
「…治君、殺す気でいい」
「何か刃物を用意出来れば、それは
灼熱の魔物と化します。まぁ、それが
できるのは私だけですが」
ボッ!!
その炎は、最初に鰄郎を襲った
横薙ぎの形で迫る炎を鰄郎は
蹴り落とした
「なるほど、それだと熱によるダメージは
軽減される。頭がキレる人間は本当に
厄介です」
「ですけど体感したでしょう?あなたを
襲うものはそんなものだけじゃないと」
突如、地面から突き破る刃物が治を
襲った
「っ!」
治は液体を壁に変形させ、自身の身を
守った
「正直、ガッカリしましたよ。私は
三天展郷抗争で劣勢な逆黒を勝利へ
導いた人物がいると聞いて来たのに、
こんなものですか」
「言っている意味がわからない。死ね」
治はバドラがなんのことを言っている
のかが全く分からなかったが、バカに
されていることは確実に感じ取れた。
「あぁ…その殺気、つい惚れてしまいました
よ。首領の話を思い出させますね…」
逆黒—アジトにて
「首領、話とは何ですか?珍しい」
バドラは、首領デロルトに呼び出され
部屋に訪れていた
「時織治という人物を知っているかな?」
バドラは、メキシコに潜入調査を
行っていたため、長期日本に不在であった
「いえ、長期の潜入調査故に、知りません」
「そうかい、面白い話だよ、今後
関わってくるものでもある」
「…聞かせてもらいましょう」
「彼は唯一私に勝った人物だ。よく
物事の構造を理解する練習していたな。
能力は『ランダムシグマ』だったかな、
能力研究者のシグマの最高傑作だ」
バドラは驚いた。今までシグマは
完成度の高い能力しか制作しなかった
故に、その能力がどれほどか胸が高鳴った
「どのような能力ですか?」
「…正直言って、とても扱いの難しい
能力だ、黒い液体を変形させ、自分の
想像する物体を作り出す、天才にしか
扱えない代物だ」
そう言ってデロルトは、とあるファイルを
棚から取りだした