「なぁ昨日のあれなんだったの?」
「分かんねぇよ」
「彼女って黒板の…?」
「なんで、?」
教室の前の戸を開けて教卓の前に立つ。
「おはようございます。皆さん。」
「静かにしてください。」
「意味が分からないという顔をしていますね」
「彼女中井 紗良は人を殺し自殺しました。」
黒板には白のチョークで大きく
と書かれている。
「え、どういうこと?」
「なんで中野さんがそこに?」
女子生徒が私のことを指差しながら驚きを隠せずにいる。
クラス全員がざわついていて耳障りだ。
「紗良は、彼を殺しました。」
私はとある生徒の席を指さした。
全員が後ろを振り返り蒼白したような顔をしている。
「で、でもふたりに関係性なんて、!」
「ありますよ。」
「その経緯を今から説明します」
私と紗良は幼馴染で昔からずっと一緒でした。
大きくなるにつれてそれぞれの性格が表に現れるようになり紗良は目立つように私は影に隠れるようになりました。
それを顔で仲良くしてるといつも陰口を叩かれました。
そこの貴方とか。いつも聞こえてましたよ。
中学一年生の二学期頃です。
とある男の子が転校して来ました。
それが彼です。
彼は直ぐにクラスに馴染みました。
そしてクラスの中心的な人物となりました。
彼と私はとても仲良くなりました。
付き合ってるなどの噂すらも流れていました。
私は否定していましたが彼は違いました。
「俺、紗季の事好きだから。」とまでクラス中に聞こえる声で言っていました。
私は勿論迷惑していました。
とある日彼と私は一緒に帰りました。
経緯は長くなるので省略します。
その日無理やりキスされました。
引き寄せられ無理やり顔を当てられたのです。
彼の友人がグルだったのでしょう。
彼はその日私にキスしている写真と共に付き合ってるって言ってねと脅して来ました。
私は紗良に言いました。
「明日、学校に行きたくないの。」
そうすると紗良は私に問いました。
「なんで地球が丸いのか知ってる?」
いきなりでしたが私は分からずに純粋に「分からない」と言いました。
すると紗良は「私はね、誰も端に行かないようにだと思うの」と空を見上げて言いました。
私も紗良を真似るように空を見上げたんです。
そこには無数の星々が光り輝いていました。
ただただ美しかったです。
「明日、学校来てね」
それだけ言って紗良は部屋の窓を閉めました。
次の日学校へ行くと紗良は彼の元へ行き頬を撫でました。
そして「貴方は私を見るべきなの」とだけ言って彼に、キスしました。
「私とキスしてもあの子とキスしても変わらないでしょう?」と私の方を指さしたのです。
正直びっくりしました。
彼は目を見開いて私の方を向き言いました。
「お前じゃなくても良いわ。」
その一言で私は彼を殺したいと思いました。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!