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桜城
308
#恋愛
ばたっちゅ
20,038
#ファンタジー
comi
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――翌朝。西の島。
森の香をまとった風が、ヒロノゼウスの頬をそっと撫でた。昨日までの豪雨が嘘のように、空には雲ひとつなく太陽がまぶしく輝いている。西の塔がある山は白い雲に覆われ、そこからこぼれる虹色の光が霧のように揺れていた。
河口では、ヒロノゼウスがカヤックのハッチを開け、テントや探索器具、標本採集用の道具を丁寧に詰め込んでいた。
頭上には、大きな鷹が悠然と翼を広げ、大空を滑るように旋回している。
ふと、波止場に目を向けると、昨夜到着した王家専用艇《オルシオン》が静かに停泊している。遠く、小高い丘の上に建つ王家の別邸には、王家の紋章と旗が風を受けてはためいていた。
「よし……準備完了だ」
ヒロノゼウスが口笛を短く吹くと、鷹は弧を描いて降下し、カヤックの先端に軽やかに舞い降りた。彼の相棒――セブン。四年前、知性強化実験の一環として誕生し、思念による簡易テレパシーまで通じ合える、彼にとって“家族”のような存在だった。
「今日の目的地は……」 ヒロノゼウスは荷物を締めながら言う。
「西の塔の周辺だ。神獣《クルサ・ガルヴァ》の痕跡がこの付近で確認されている。
セブン、空からサポートを頼む」
「了解」 セブンは短く鳴き、再び空へと舞い上がった。
「ふう……」 ヒロノゼウスはため息を深く吐いた。セブンを見る度にあの日の罪悪感が蘇る。
(セブンは4年前の出来事を、どう感じているのだろうか。あの日のセブンの涙は……)
『ヒロノゼウス、前から言っているだろ。あの日の出来事は気にするな。罪悪感は持つな。お前の考えている事が思念波で伝わり、うるさいぞ。パドルを漕がないのか』
脳裏にセブンの声が聞こえてくる。
「……悪い。よろしく頼んだぞ」 ヒロノゼウスは苦笑し、カヤックに乗り込むと、水面へそっとパドルを差し込んだ。
「今日のルートは、河口から東へ。分岐を右に入り、沢を遡る。王族の屋敷の裏山にあたる一帯だ。前回、クルサ・ガルヴァの痕跡を見つけた場所の近くでもある」
セブンは空から先導し、ヒロノゼウスは、密林を縫うように蛇行するマングローブの川を黙々と漕ぎ進んでいく。ゆっくりと川を上っていく。水面には太陽の輪郭が揺らめき、光が反射して宝石のように瞬く。雨上がりの川は水量こそ多いが、流れは穏やかだった。風は心地よく、湿った葉、草花、土の匂いを運んできた。息を吸う、吐く度に心も体も活力が溢れてくる。
やがて川は蛇行を増し、流れは岩肌を削るように荒々しさを帯びていった。幅も徐々に狭くなり、川幅が徐々に狭まり、流れは岩肌を噛むように荒れ始めていた。ヒロノゼウスはパドルを軽く立て、艇の角度を調整しながら慎重に上流へ向かっていた。
ヒロノゼウスがカヤックで川上へと遡っている頃――。
西のエルフ・バリア塔 最上部。
石壁に囲まれた円形の石室では、中央に鎮座するライト・イエロー・エナジーストーンが深い呼吸のように脈動し、床一面に刻まれた古代の魔導線が、じわりと黄金色の光を帯び始めていた。その光に照らされ、四台の巨大音叉が“石の心臓”に向かって精密に配置されている。金属と石が混ざったような低い共鳴が、まだ起動もしていないのに、空気の奥底から震えてくる。
「よし……最後の固定、完了だ」
アルディン技官が工具を置き額の汗をぬぐった。高所ゆえの薄い空気と石室の圧迫感が喉を焼く。結界制御室の奥では、ザルガン博士が波形モニターに釘付けになり、指先だけが小刻みに震えている。
「ザルガン、こちらはいつでもOKだぞ」
石室に響くアルディンの声が、静まり返った空間に不自然なほど大きく反響した。
『待て。今、最終周波数を合わせている……』
ザルガンの指先が調整盤のダイヤルを滑らかに回し、音叉の基部がわずかに震えた。
『……よし。共振開始。アルディン、石室から退避しろ』
「了解!」
アルディンが扉を閉じた瞬間。アルディンは、中央監視室へ続く螺旋階段を駆け下りていた。その途中、耳に差した無線からザルガンの焦りを押し殺した声が弾ける。
『振幅臨界まで──あと十……。共振値、上昇中……っ』
ザルガンの声の奥で、何かが高速で振動する低音が混じっている。
(まずいな……この揺れ方は……)
監視室のモニターに張り付くザルガンの眉間には、深いしわが刻まれていた。
『……ん? 収束が……しない?』
その瞬間、塔全体が 低く、唸った。
「グゥゥゥゥゥン──」
石室の天井から細かな砂がぱらぱらと落ち、階下へ伸びる魔導線がノイズを走らせて青白い火花を散らす。
『停止だ!』
ザルガンの叫びと同時に緊急スイッチが叩かれる。瞬時に、音叉の振動が“ぷつん”と断ち切られたように消えた。
『塔の躯体ストレス……最大近いな。くそ、共振に乱れが……収束しない……!』
その刹那、無線が ザザッッ!! と激しく乱れた。
ドンッ!!
『いってぇ……っ!!』
混線越しに、アルディンの悲鳴が飛び込んできた。
背後でがらがらと砂が落ちる音、金属が軋む音まで混じっている。
『おいザルガン! 塔が本気で揺れてるぞ!俺、階段で尻もちついたからな!?
この振動、数日かけて並べた音叉が全部バラバラになるレベルだぞ!こんな調子で続けてたら……俺ら……石神さまの祟りで仲良くお陀仏コースだぞ。マジで』
「“お陀仏”など縁起でもない言葉を使うな」
ザルガンの声は冷静を装っていたが、息はわずかに乱れていた。
彼はモニターを見据えたまま、低く鋭く言い放つ。
『今の揺れは神石の共振ではないな……外部干渉だ』
「外部?」
ザルガンは乱れた波形を指し示した。
『この狂い方は自然振動じゃない。バリア塔そのものが……島全体の“何か”に共振している』
さらに別の波が乱れ、モニターが警告色を点滅させる。
『神石では説明できん……もっと深い層から揺れが来ている。まるで“眠っていた力”が、息を吹き返したみたいに……』
「おいおい、それって……何が動いてんだよ……」
ザルガンは短く息を吐いた。
『アルディン、急いで中央監視室へ戻れ。塔の下……山のどこかで、大規模なエネルギー変動が検出されている』
「ひょっとしてザルガン、おめぇ……ひとりで怖いのか?」
『怖くない。……検出ログを監視してほしいだけだ』
「またモニター数字の睨めっこかよ。神石の罰より、俺の目が先に潰れそうだぜ」
『軽口はいい。……いいから急げ』
「あいよ、相棒。イライラはな、イライラを呼ぶんだ。だからこういう時こそ深呼吸して落ち着けよ、ザルガン」
『……お前というやつは。本当に気をつけて戻れ』
「任せとけ。すぐ行くからよ」
その瞬間、塔が再び ゴウゥン……ッ と低く唸った。
「おい! 今の聞いたろザルガン!」
『うるさい! だから急げと言っている!!』
「あいよ! あいよ、相棒ー!」
震動は石室を抜け、塔の根元から大地へ、山腹へ、そして、島全体へと“静かな波紋”となって広がっていった。
同時刻――。川面がわずかに震え、水鏡に同心円の揺らぎが走る。山腹の奥から、重く低い音が腹の底を叩くように響いた。まるで大地そのものが呻いたような音だった。霧の奥で、赤い光が短い周期で明滅し、山の稜線を 血管のように走る光 が照らし出していく。
(今の震幅……塔の方向だな。嫌な揺れ方だ)
ヒロノゼウスはパドルを止め、水の反射と風の乱れを読むように呼吸を潜めた。
風は止まり、葉擦れの音すらない。島が呼吸を止めている。
『正面の山から地滑り反応。西のバリア塔、外殻に微振動を検出』
セブンの冷静な声が降りてきた。
「……塔が揺れている。島の“異変”は、どうやら本格的だな」
ヒロノゼウスは霧の奥をじっと見据えた。何かが、こちらへ向かってくる。
まだ形はつかめないが強い“意思”のようなものが空気を押し返していた。
「セブン。付いてこい。この揺れ……ただの自然現象じゃない」
ヒロノゼウスは艇を押し、静かに水を切りながら上流へ再び漕ぎ出した。そのとき、上空を旋回していたセブンが急に翼を畳み、矢のように降下した。河岸の岩場に鋭い爪を立てて着地すると、一瞬の静止ののち、黄金の瞳が細く収束する。
『ヒロノゼウス。この先の岩に異常熱反応。爪痕と推定……』
「神獣の痕跡か? 今行く」
艇を岸へ寄せ、岩盤に手をかけて身を乗り出す。硬い岩が、まるで薄板のように抉り取られていた。五条の深い溝が斜めに刻まれている。
表層は焦げ、まだ微かに蒸気を吐いていた。
(この爪跡は……で、この熱……?)
ヒロノゼウスは岩肌に触れ指先で残留反応を確かめた。
「……クルサ・ガルヴァ級の神獣の形状には似ている。
背骨から伸びる“骨角”の痕跡も確認できる……だが……」
ヒロノゼウスは指先に残る微振動を確かめながら、眉を寄せた。
「自然の神獣にしては、骨角の“発達の方向”がおかしい。まるで……外部のエネルギーに引っ張られて変質したかのようだ」
「この複合波長……本当に、生物のものか……?」
生体反応でありながら、どこか人工的な周波が微かに混じる異質さ。霧の向こうで、バリア塔の赤いライトがまた瞬いた。周期が、先ほどよりもわずかに乱れている。
(やっぱり、この島全体が変だ……神獣の異常進化……?いや、もっと別の“何か”が絡んでいるかもしれない……)
ヒロノゼウスは慎重にパドルを操り、艇を進ませた。
川の周囲をさらに見回すと、浅瀬の水面だけが、円形に“凪いで”いた。風も流れも、どこにもない。それなのに、そこだけまるで時間が止まったように平らだった。
ヒロノゼウスはそっと手を伸ばし、水面に触れた。
「熱い!」
一瞬、指先が跳ねる。
(飛翔痕の熱波……?いや、違う……これは“ただの熱”じゃない。波動の“焦げ”だ)
(間違いない……神獣級の波形だ)
その瞬間、セブンが上空を旋回し、鋭い声で警鐘のように叫んだ。
「カァァァ――!!」
『森の動物たちがざわついている。……ヒロ、上だ!』
ヒロノゼウスは顔を上げた。
空の雲が、まるで“巨大な何か”がすれ違ったように一瞬だけ、逆巻くように歪んだ。息が止まる。だが次の瞬間には、風も波動も痕跡を残さず消え失せた。森は、先ほどまでの異変が嘘のように、ただ静寂だけを取り戻していく。ヒロノゼウスは、パドルを握る手に無意識の力が入っていることに気づいた。
「何か……胸騒ぎがする……」
それが “何の始まり” なのかは、まだ誰も知らなかった。
ヒロノゼウスが目的の野営地に向けて静かに漕ぎ出したそのとき、遠く、南の空のほうから、低く唸る飛行音 が、森の静寂をゆっくりと切り裂いていった。大気そのものを震わせる、魔導エンジン特有の重低音。鳥の声が止み、川面がわずかにざわめく。ヒロノゼウスは再び空を仰いだ。
山裾をかすめるように白い機影が雲間から姿を現した。
それは、王家の紋章を堂々と刻んだ 【魔導ヘリ】
機体底部の魔導灯が青白く脈動し下降してくる。旋回しながら、小高い丘の上王家の別邸に併設された ヘリパッドへ進路を取った。
『ヒロノゼウス……あれ、イザリオ王子とエルファーナ王女だ。侍従が迎えに出ている』
「……王子と王女か」
ヒロノゼウスの脳裏に、遠い光景がよぎった。
――王研・地下二十階。噴水広場の一角、水槽の前。
ヒロノゼウスは熱帯魚に餌をやっていた。そのとき、腕の時計型端末が小さく震える。発信者は、友人であり〈週刊レガリア〉の記者でもあるカザン・イオルだった。
『ヒロノゼウス、知っているか? 特別研究区で“クローン人間”を作っているって噂だ』
「……クローン? まさか。そんなもの、王令で禁止されているはずだ」
『ああ、そのはずだ。だからこそ“ネタ”になる。……お前、特研区に出入りできるか?』
「いや、特研区は特別な推薦がなければ入れん。厳格な守秘義務契約に、ネット閲覧も監視下上に、独立した居住区。ジン博士ですら立ち入りを拒まれている異質な空間だ。その代わり成果を上げれば、一生涯の権利収入が得られる。そう聞いている」
『……やっぱり異常だな、あの区画は。第二期リヴァン政権になってから作られた“箱”ってわけか』
カザンの声が低く潜った。
『その特研区の内部研究者からタレコミがあった。“クローン王子と王女が制作されている”ってな』
「……なんだと」
『ただ、そいつと連絡が取れなくなった。裏取りが難しい。このままじゃ記事にできない。……最近、リヴァン首相に異を唱えた連中が次々と失踪している。詳しいことは来週号にまとめるつもりだ』
「カザン。お前こそ気をつけろ。お上の腹を深く覗き込みすぎると、何をされるか分からん。時には、知らぬが仏で通した方がいいこともある」
『忠告、感謝するよ。ヒロノゼウス。また、今度飲もう』
「ああ。またな」
その数日後――。
〈週刊レガリア〉のカザンの記事は、“国家秩序を乱す悪質な虚報”として糾弾された。雑誌は廃刊に追い込まれ、出版社は謝罪会見。それ以来、カザンの消息は途絶えたままだ。ヒロノゼウスは今も、どこかで生きていると信じている。
小さなさえずりが肩先をかすめ、意識が現実へ引き戻された。セブンではない。森の小鳥が枝から枝へと飛び移っただけだ。しかし、胸の奥で、さっきまでの記憶がまだ熱を持っていた。
カザンが追いかけていた“特研区の闇”。リヴァン政権が築いた、箱のような閉鎖空間。クローン王子と王女の噂。島で起きている異常な波動。そして王族の突然の来島。どれも無関係とは思えなかった。ヒロノゼウスは深く息を吸い、濃い森の匂いを肺に満たした。
「……セブン。野営地へ向かう。王家の動きも、この島の揺らぎも……全部つながっている気がする」
『ああ。上空から見える範囲は任せろ』
ヒロノゼウスはカヤックのロープを解き、艇を押し出した。パドルが水を割り、静かな川面がゆっくりと揺れる。セブンは翼を広げ、暮れゆく空へ舞い上がった。
薄闇の中、ヒロノゼウスは、前へ進むしかないと確信していた。
その頃――【魔導ヘリ・機内】
王家の魔導ヘリは、ゆっくりと高度を下げていた。機体の窓越しに広がるのは、深い原生林、入り組んだ渓谷、そして夕陽を受けて琥珀色に輝く湖面。遠く、西の塔の赤い誘導灯が、霧の帳を破るように弱く明滅していた。イザリオは、その光をじっと見つめていた。胸の奥に、言葉にならないざわめきが渦を巻く。
(なんだ? 胸の奥がざわつく)
隣ではエルファーナ王女が両手を胸に添え、静かに目を閉じていた。この島の自然の気配に敏感な彼女は確かに“何か”を感じ取っているようだった。
「お兄様……空気が、少し重くありませんか?まるで島全体が、私たちに“注意しなさい”と言っているような……」
「ああ。僕も同じだ」
ヘリは王家別邸のヘリパッドにゆっくりと降下し、着地の振動とともに扉が開く。
冷たい森の風が機内へ吹き込み、ふたりの髪をそっと揺らした。
外では侍従たちが整然と並び、別邸付きの侍従ロスクと女官ルーネが一歩進み出て優雅に一礼する。
「イザリオ様、エルファーナ様。長旅、誠にお疲れ様でございました。本日より滞在される王家別邸へご案内いたします」
イザリオはタラップを降りながら、ふと西の塔の方向へ視線を向けた。
霧の帳の向こう、塔の赤い灯火が、まるで鼓動するように微かに明滅していた。
(胸騒ぎは、あれのせいなのか……?)
霧の中で灯る赤い光が、なぜかいつもより脈打って見えた。
王家の別邸は、島の深い森に寄り添うように建てられていた。白い石材で構成された外壁は夕闇に溶け込み、静けさの中に、確かな威厳だけを静かに放っている。
ルーネが松明の灯を掲げ、王子と王女を案内した。
「こちらがエントランスでございます。島の建築様式と王都の意匠を融合させた造りとなっております」
扉が開かれると暖かな光が二人を包み込んだ。内部の壁には島の古代文様が彫り込まれた紋板が飾られ、天井には淡く光る水晶灯が揺れている。
エルファーナは静かに目を見開いた。
「とても穏やかな建物……なのに、どこか不安が流れているような」
「エルファーナ様は、自然の“波”を感じ取られますから」
ルーネは柔らかく言いながら続けた。
「ご安心ください。魔導結界も随時調整しております」
しかしエルファーナは、その言葉を聞きながらも廊下の奥を見つめ続けていた。
エルファーナは部屋に案内された後、大きく開かれたバルコニーにそっと足を踏み出していた。森を渡る夜風が、彼女の髪をやわらかく揺らす。遠くで梟が鳴き、湖面には月が細く浮かんでいる。エルファーナは胸に手を当てた。
(さっきの重たい気配。あれは、ただの自然の波じゃない。もっと深い……もっと古い……)
風の流れが一瞬変わり森の木々が、わずかにざわりと震えた。
エルファーナが部屋に入った頃、侍従ロスクはイザリオを案内していた。
「お部屋はこちらです、イザリオ様」
案内された客室は、王族の滞在にふさわしい上質な空間だった。木材の柔らかな香り、敷き詰められた絨毯の深い青、窓からは湖と森がひとつの絵画のように映っている。イザリオは肩の力を抜きつつも、視線だけは西の塔の赤い光へと吸い寄せられていた。
(あれは、ただの灯火ではない……。胸のざわつきが、ずっと収まらない)
そこへ、侍従のロスクが控えめにノックした。
「イザリオ様、夕食の準備が整いました。本日の献立は島の食材を中心に――」
「ありがとう。だがその前に……塔の監視状況を教えてくれ」
「現在も規則的に明滅しており、異常は確認されておりません。ただ……本日、島全体で微弱な揺れが検知されました」
「揺れ……か」
イザリオは小さく息を吐いた。
(……島の様子がおかしい。何が起きている?父上はこの旅を“成長の試練”と呼んだけれど……試練以上の何かが、この島にはある気がする)
「ロスク。明日は西の塔の調査に向かいたい。父上からザルガン博士とアルディン補佐官が調査していると聞く。バリア塔を把握したいのだ」
ロスクは穏やかに頷いた。
「かしこまりました。私もお供致します」
ロスクの声は、別邸の部屋に静かに吸い込まれていった。
コメント
1件
読み終えたよ〜!!第40話、めっちゃ重厚でオドロキの連続だった…😳✨ ヒロノゼウスとセブンのコンビ、信頼関係が滾る感じがたまらん…!空からの情報伝達とかテレパシー、相棒萌えが止まらんくてキュンと来た💕 塔の異常共振と外部干渉のシーン、ザルガンとアルディンの軽妙なやり取りにちょっと和んだけど、その後の“眠っていた力”の伏線が怖すぎて背筋ゾワゾワ…。爪痕の熱波や変質した骨角の描写も、この島の謎が深まる一方で「えっ!?続きどうなるの!?」って叫びたくなったよ😭 イザリオ王子の胸騒ぎと、エルファーナ姫の鋭い感覚…それぞれが感じ取ってる“何か”が本当に不気味で、次話でどう動くのか楽しみすぎる!!ありがとう星崎さん、引き続き追いかけます🔥