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家政婦が百合の荷物を整理している間に百合は館の中を見て回った、そして百合専用の衣裳部屋に入って行くとこれも驚いた
さまざまな種類のエルメスが天井まで四方に囲まれたガラスのキャビネットに綺麗に陳列されていたのだ、バッグはもちろんの事、クッションやアクセサリー、コスメにおいても全て、壁紙までエルメスだった
「新婚旅行から帰るまでに、この部屋を奥様のお好きなエルメスでいっぱいにしてくれとの旦那様のご要望でした、お気に召していただきますと光栄です」
「とっても気に入ったわ」
百合は定正が用意してくれた、この素晴らしいエルメス部屋を愛した
美しいブランド物は百合の心を豊かにした、そして百合はエルメスの日本での最重要上級顧客としてファッションショーや様々なイベントの招待状を受け取る様になった、百合は全てのイベントに参加すると返事した
この頃には一日中エルメス部屋で百合は過ごした、小さい頃・・・父親にリカちゃんハウスを買ってもらった時の事を思い出した、今はそれが何百万倍もの規模で百合の目の前に現れていた、全て定正のおかげだ
百合は今、体験してることの全てに現実感がなかった、わずか一週間前まではラウンジのホステスだったのに、それが今は侯爵夫人のような生活を始めようとしている
あんな良い人をがっかりさせたくない、私は彼に最善を尽くそう、それが愛されている女の礼儀だ、百合は素直にそう思った
この屋敷は使用人の鏡のような人物達だらけで、いたれりつくせりで百合の痒い所に手が届くようだった
しかしどこへ行くにも使用人の目があり、彼女にはプライバシーがなくなった、エルメス部屋で遊ぶのが飽きた頃、要するにこの屋敷ではユリは何もすることがなかった
そのうちこの屋敷の使用人は百合が浮気をしないように定正に雇われた見張り役だと気づいた頃には
もう百合は元の生活に戻れなくなっていた
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定正とのセックスはとても淡白なモノだった、あれほど精力的に行動する男性なのだから、あっちのほうも凄いのだろうと百合は覚悟していたが
包茎気味の彼の性器は皮を剥くと、少しの刺激でイッてくれたので、百合は内心助かったと思っていた
新婚初夜・・・鎌倉の彼の所有する大型船舶で結婚式を終えた二人は初めて愛し合った
定正のベッドでの愛の交わし方はとても簡単なものだった、定正はいきなり百合の上に乗って来て、どれほど百合が美しいか褒め讃えた後、挿入した
ギッシ・・・ギッシ・・・
「おおっ百合!おおっ、百合!・・・」
彼は二・三度の上下運動を繰り返しただけで射精し、彼女の上から転げ落ち、満足げに抱きしめた
しかしそれが百合にはありがたかった、あの隆二と交わしたような男女の結びつきがこれほどの喜びに到達できるなんて奇跡だと思い知らされるような情熱を、もう誰かと再現しようなんて思っていなかったからだ
世界をまたに駆ける王者の様なこの男性も・・・寝てしまえばただの男・・・
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そして定正のことは愛してはいないけど、これほど強く自分を求めてくれている彼に、愛ではなく情は移った