僕は変な夢を見た。
「ぽち!」
僕の飼い犬のぽちが山の方へ脱走してしまった
僕の住んでいるところは田舎で、山が近い。
「汚らしい犬」
ぽちが通り過ぎた先にいたお姉さんはそう言う
僕はすごく嫌な気持ちになった。
「お母さん、失礼だよ」
お姉さんの後ろから同い年位の女の子がそう言った、僕はその子のおかげで少し苛立ちが減ったんだと思う。
「ぽち、そうだ!ぽちを…..」
女性達に気が行ってしまい、ぽちを見失ってしまった僕は、泣きながら父にぽちが脱走したことを話した、すると父はぽちを侮辱した。僕はそんな父を許せなかった。
「ぽちを悪く言うな!」
僕は父を殴ってしまった。
あれから1ヶ月がたった頃父は亡くなった。
いい気味だ、ぽちを侮辱した罰だと僕は思っている。ぽちはあの日の夜一人で帰って来た。やっぱりぽちは頭のいい子だ。
こんな夢を見た、変な夢だ。父はとっくに亡くなっていたはずなのになぜ夢に出てきた。
だけど、僕は父が嫌いだ。
夢でも現実でも父はぽちを侮辱していた。
ぽちの何が悪いのかさっぱり分からなかった僕はずっと父を嫌っていた。
あれから5年たった今、ぽちは立派な大人の犬になった。僕はそれに比べてただの寺の子15歳
僕も犬になりたかった。犬ならぽちの言っていることも分かるし、早く大人になれる。
「凛神〜ぽちのお散歩行かないの?」
母はぽちが大好きだ、僕が散歩に行かない日は母が喜んで散歩に行ってくれる。
でもぽちは、母のことが苦手なのか、頑なに散歩に行きたがらない。それに、母と散歩に行ってきた帰りには必ず足が泥だらけになっているなぜなのだろう。
「僕が行くから、母さんは家で休んでて」
僕の家は山の近くだ。今の季節は秋、熊が食べ物を探しに人里に降りてくることだってある。
そんな危険な時期に母を散歩に連れて行くのは危険男の僕が行くべき、でもこれも父の教え。
父は母のことが大好きなので、僕のことなんかお構い無し。
「行ってきます。」
散歩に出かけてすぐのことだった、
山の方から女性の悲鳴が聞こえた。
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