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これからどこがどうなっていくのかめっちゃ楽しみ😊
誰がどこにどう絡んでくるのか読めないから、めっちゃ面白い😊続き楽しみにしてまーす!
やばい。寝坊した!
俺は、慌てて体操服に着替えて、体育館へと向かった。日曜は照に誘われてアクロバットの練習に付き合うことになっていたのだ。
ラウールのせいで寝不足だし、なんだか休みの日なのに慌ただしい。
校庭を走って横切っていると、めめに会った。
🖤「あ、先輩、おはようございます!」
うん。
めめはいつもながら爽やかだ。
💙「照見なかった?」
🖤「見ました。向井先生と体育館に行きましたよ」
💙「向井先生?」
🖤「今頃、岩本先輩は写真のモデルになってると思います」
向井?
モデル?
よくわからんが、わかった、と言って俺は体育館へと急いだ。
体育館に着くと、マットに向かって、何度もバク転を成功させている照を、向井先生が写真に収めていた。
🧡「ええやん!カッコええで!」
向井先生は、明らかに照に夢中だった。
途切れないシャッター音。
あまりの熱量の撮影ぶりに、俺は思わず声を掛けるのも躊躇した。
💛「あ!先輩!来てくれたんですねっ」
照の方が先に俺に気づいて、駆け寄って来た。
💙「おはよ…って、もうこんちはか。すごいじゃん、バク転。もうすっかりモノにしたな」
💛「はい!翔子先輩のお陰です!」
ふにゃっとした照の笑顔が幼くて可愛い。こうして見ると一個違いとはいえ、やっぱり年下なんだなあと思う。
💙「もうあたし、照に教えることないよ」
💛「そんなことないです!先輩と一緒にいると嬉しいし、今日もよろしくお願いします!!」
💙「あー、うん」
頭をかきながら、俺は照れていた。
こんなふうに後輩に慕われるなんて初めての経験で、なんだか無性にくすぐったい。前の高校ではバスケ部に入ったものの、練習がキツくてすぐ辞めて以来は万年帰宅部だったし、後輩と呼べる存在はこいつらが初めてだ。
可愛いもんだな、後輩って。
めめといい、照といい。ラウール、は、ちょっと違うか。
💙「でもマジで教えられることもうないよ?」
💛「うーん。今日は、バク宙やってみようと思うんですけど…」
🧡「ちょいちょい、お二人さん、先生が助けたろか?」
💙「あ。忘れてた、向井先生、いたんですね」
🧡「冷たいなあ、渡辺さん」
💛「ごめんなさい」
🧡「ええて。俺、体操の映像いくつか持ってんで。参考にしたらええんちゃう?」
💛「本当ですか!助かります!!」
そう言うと、向井先生は部屋に戻って、タブレットを取って来てくれた。
体操選手が、色んな技の解説をしている動画がそこには収められている。これさえあれば、見よう見まねでも、今の照ならできそうだ。
俺たちは、向井先生にお礼を言って、二人で新しい技に取り掛かった。