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君が探していた場所
・mrrs(🏴☠️🦋)
・あらすじ必読
・回想 ***〜***
・雰囲気作るために空白開けてあります。
「第2話」
「そろそろ行くか…。」
ご飯も済ませて、ノエフレ2人と約束した駅に向かうことにした。
ご飯といってもただのゼリー飲料を流し込んだだけだが…。
正直この歳では食欲が湧かないのでそれはしょうがないとしよう。
「行ってきまーす」
誰も返してくれることのない挨拶が虚しく空回りする。
そして聞き慣れたドアの音を聞きながら足を一歩踏み出す。
ガチャッ…
「……げっ…。」
「おはよ♪マリン!」
「なんで待ち伏せしてるんだよ…。」
本当に心臓止まるところだったじゃんか。
「マリン元気なさそうだから元気づけようと思っただけなのにー…」
そう言いながらノエルは頬をぷくーっと膨らませた。
「まぁまぁ、そんなに落ち込むなって…」
「だって「げっ…」って言われたんだもーん泣団長泣いちゃうよ?」
「もう泣いてんじゃねぇか、フレアに慰めてもらったら?」
「相変わらずカップルには厳しいね。」
「しらねー…」
ずっと廊下で話をするのも時間の無駄なので雑談しながら駅に向かう。
言い忘れてたが、ノエルもリア充で、同じく同期のフレアと交際中。
説明なんかしなくても分かると思うけど…。
こいつらバカップルも私とるしあと同じ年に付き合って現在に至る。
2020年だから5年間も長い間付き合っている。個人的にはもう結婚
して るんじゃないかって くらいの距離の短さ。
それを話したら「マリンとるしあもそんな感じだよ笑」って言われた。
どこかに消えてしまったるしあはまだ私のことが好きなんだろうか…。
もしそうだったら、
何 も 言 わ ず に い な く な る わ け が な い 。
「マリンどうしたのー?」
「ん…あ、いやなんでもない。」
「なんかあったよねー!絶対!」
「なんもねぇよ…w」
「ほら!すぐそういうの話さないところ良くないよ!?」
「…んじゃあ聞くけどさ、」
「ノエルとフレアって喧嘩とかするの?」
「喧嘩…?ん〜…どうだろ…」
私はそう質問するとノエルはだいぶ悩んだ顔をして、黙って考えた後
ゆっくり口を開いた。
「喧嘩は…したことあるよ。もう結構前の話だけどね。」
ノエフレみたいなバカップルでも喧嘩するのか、びっくりした。
「喧嘩するんだ?意外。」
「まぁ一緒にいる時間が増えたら、気になるとこも見えてくるんだよ。」
「それこそ付き合いたての頃とか結構ある。」
そっか、こいつらだって初対面の頃から仲が良かったわけじゃないし。
「私だってるしあとよく喧嘩したからなぁ…w」
「…そうだよねw特にマリンとるしあはケンカップルやしw」
「確かに、よくケンカしたな…w」
***
「ねぇ?配信見たんだけどさ、胸大きい方が好きって何?」
「はい…?ど、どういうことでしょうかー…」
「どおりでさ、ノエルとかと距離近いよね。」
「そりゃあ同期だろノエルは…」
「そんなに胸大きいやつが好きならそっちのところ行っとけばいいじゃん!」
「違うって!」
「…何が…。」
「ちゃんと…るしあのこと好きだよ。」
「…本当…?」
「そうだよ。」
「んへへ…私もマリン好き。」
***
「だから…るしあのことは早く見つけてやんねーと…。」
「……そうだね。」
ノエルは空気を読んだのか、なにも口を動かすことはなく、
駅が目で捉えられる場所まで着いた。
「2人ともー!こっちー!」
駅前でフレアが手を振っているのが見えた。
「ごめん〜着くの遅くなったー。」
「ノエルと話しながら行ってたからね。」
「うんうん、2人とも大丈夫だよ!時間通りだったし!」
「そう、なら良かった。」
「で、マリンに聞きたいんやけど…今日はどういうルートにする?」
「みんなバラバラに探そうぜ。」
「おっけー集合場所もこの辺にする?」
「うん、どこ探すかはみんなに任せる。」
「分かったー」
「分かったよーん。」
私は2人と解散した後、るしあとの思い出がある場所をできるだけ探し回った。
同期とオフで旅行に行った場所とか、デートしに行った場所とかたくさん…。
それでも結局見つからなかった。
時間も夕方に差し掛かり、みんなが最初の駅へ合流した。
「やっぱりどこにもいない…。」
「るしあ…どこに行ったんや…。」
「…みんな、ありがとう。こんな遅くまで。」
「ううん、大丈夫だよ。るしあのことも心配だし、マリンのことも…」
「やっぱり私…もうちょっと探しに行く。」
「そうなん?無理しないでよ?」
「大丈夫、夜になるまでは戻ってくるから。」
「そっか…。」
「気をつけるんやよ?」
「うん。」
私は2人にそう言って、“海”のある方へ足を進めた。
“海”は一度るしあと2人で遊んだ場所。お互いにとって思い出深い場所のはず。
潮風が涼しく感じるところまで来たとき、私は
見 覚 え の あ る 姿 を 捉 え た 。
翡翠色のショートヘアに、小柄で華奢な体、そして
周 り に 舞 う い く つ か の 蝶 々 。
間違いない、あれはるしあだ。
私は懐かしい面影に駆け寄り、大声で名前を呼んだ。
「るしあーーー!!」
るしあがこっちに気づいて振り向くと、私はそれに違和感を覚えた。
振り向くと、るしあの右目が
包 帯 で 覆 わ れ て い た 。
私はあと数十メートルというところで立ち止まってしまった。
「第2話」
懐かしい面影
to be continued…