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前回の続きです

⚠誤字、日本語が変でも許してください

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91


夏休みが終わった


今日は私の誕生日、、


この町で最後の誕生日


5:14


空はまだちょっと暗く、オレンジ色のわたあめがちらほら見える


「ふぁぁ、、ねむ、」


私も、もう15歳。


お引越しするなら、中2の時が良かったな。


ボサボサな髪の毛を弄りながら階段を下りた


哀しみと楽しみを乗せた優しい風が、ひゅー、と吹く


「おはよ、、、」


まだ寝ぼけている状態で発した声は、聞き取りにくい


「おはよう。お誕生日おめでとう。今日はかえでの好きな炊きごみご飯よ。」


テーブルから暖かく、愛情の籠った匂いが、頬を撫でる


「顔洗ってくる、、、」


ゆっくり方向転換し、洗面所へ向かう


少し湿った空間の中でで、顔を洗う


眠気を覚ます水はまだ、生ぬるかった


シャコシャコ、、


洗面所に歯を磨く音が響く


頭の中では、あの時、ぶつかってしまった男の人がチラついている


「ガラガラガラ、、ペッ」


不安と眠気を、泡と一緒に吐き出した


────────────────────

「いただきます」


お母さんの作ってくれた炊きごみご飯は、オレンジ色空を連想させた。


「美味しい」


そう呟いて、手を進めた


「ほんと、楓は炊きごみご飯が好きねぇ」


お母さんがにっこり笑いながら言った。


私もお母さんにお返しするように、フッと笑った

────────────────────

「行ってきます」


私はそう言って戸を開けた


セミがミンミン鳴いている


「っ、、!」


私は何故か涙を流していた


「嫌だなぁ、、ここから離れるの、、」


────────────────────

学校


3-Bの教室の戸を開ける


カラカラカラ


「パンっ!」


「えっ」


火薬臭い空気、足元にはキラキラした色んな色の紙、クラッカーのようなものを持っているみんな

すると、みんなが一斉に


「お誕生日おめでとうー!!」


私はすぐに状況を理解できなかった


状況を理解するよりも早く、涙が溢れていた


私は花をすすりながら


「う、うん!、ありがとう、、!!」


と言葉をつまらせながら言った


、、この誕生日が、私の生涯で1番幸せな誕生日になったと思う。

────────────────────

92 10:35

「みんな、、!今までありがとうございました、、!」

これが最後の「ありがとう」


涙が止まらない


笑顔を壊さないように泣くのも、意外と難しいものなんだね、、


「今までありがとう!」


「また会えたら!」


「また今度遊ぼうねー!」


「俺達のこと忘れるなよー!」


クラスの色々なところから飛びかう別れの言葉

その言葉の一つ一つが、不安を解してくれた


今日は準備をしなくちゃいけないから、早退する


、、、まだ、ここに居たい



叶うことなら、ずっと、ここに居たい、、、


そんな叶わぬ願いを心で繰り返しながら、教室を出た。



1人涙を流して歩く廊下は、早くも懐かしく、そして、とても静かだ。


だけど、、


「楓っ!!!」


「えっ、、?!」


思わずびっくりして、涙が引っ込んでしまった

ゆっくり、後ろをむくと


「楓、、今まで、ありがとうね。」


親友の亜紀(あき)が涙をためて言った


「亜紀、、」

また、涙がぽつぽつと、落ちてきた


亜紀の手には、色鮮やかな花束があった


「これ、、私から、、いや、3-Bからの、最後のプレゼント、、」


「えっ、、嘘、、ありがとう、、、!!」


涙で花束がぼやけてしまった、、


「ごめんね、、本当は教室で渡したかったんだけど、、。私がいざ渡すとなると、、やっぱりみんなの前に出れないからさ、、。」


亜紀は昔から、人と接するのが苦手だった


みんなの前に出ると、どうしても声が出なくなってしまう。


「亜紀、、」


「ごめんね、、ごめんね、、!最後のお別れが、こんな地味になっちゃったの、、」


亜紀の目にも、大粒の涙がたまっていた


「大丈夫だよ、、!嬉しい、、」


離れたくない、、ここから、、

でも、、


「ごめんね、、、親、、待たせちゃっているから、、もう行かなきゃ、、、、」


この言葉を言うのに、どれほど時間がかかったか、、、


「うん、、」


「ばいばい、、!楓、、、!大好きだよ、、、!」


亜紀が震える声で言ってくれた


「私もだよ、、!!!」


私は動かない足をやっとの思いで動かして、


昇降口へ向かった

────────────────────

93 4:17


お引越しが終わった次の日


慣れない環境のせいで早起きをしてしまった


新しい景色が、まだ、馴染んでいない。


やっぱり、前の学校のこと、思い出しちゃうな。

────────────────────

同日 8:10


私は今、新しい教室の前に立っている


クラスは、B組だ。


前の学校と同じクラス


胸がものすごくドキドキしていた


教室から聞こえる、担任の声


「────今日は転校生が来ます」


その一言で、クラスは一気に騒ぎ始めた


「それでは、入ってきてください────」


「はい」


ガララララ


────────────────────

中途半端ですみません、、


紅いカエデ、白いツバサ

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