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「はい・・もしもし?」駿は震えた声で問いかける。「皆川先生?今どこにいるんですか?」

「何処って・・えっと・・今ちょうど帰ってる途中ですけど?」

「え?まだ?寄り道でもしてるんじゃないでしょうね?」

「え?どういう意味ですか?」駿はつかさに尋ねる。

「今皆川先生の家の前にいるんですよ!また金森さんにご飯でも作ってあげようと思って!でも誰も居ないみたいだから、電話をかけたんです!」

つかさは若干怒った様な口調で話す。

「ああ、そうだったんですか・・わざわざすいませんね・・・」

「で?本当は今何処に居るんです?まさかとは思いますけど、明日が祝日だからって、金森さんと2人で何処かに行ってるなんて事ありませんよね?」

「あ、いや、そんな事は・・・」駿か口ごもっていると聖奈が「私たちも居まーす!」と声を張り上げる。

「ん?誰?今の金森さんの声じゃないですよね?他に誰か居るんですか?」

「あ、いや・・その・・何というか・・」

口ごもる駿につかさ強い口調で「誰が居るんですか!!!」と声を張り上げて詰め寄る。

「あ、はい!えっとですね・・金森と秋根・・それから椎名がいます・・」駿か申し訳なさそうに言う。

「それって皆川先生のクラスの秋根聖奈さんと椎名沙月さんですか?」つかさの問いかけに駿はさらに申し訳なさそうに「は、はい・・」と呟く。

「皆川先生?確かに私は金森さんと2人きりで出歩かない様にって言いましたよ?でも同席してる人が同じ生徒じゃ意味ないでしょ?」

「いや・・これには訳がありまして・・」

「言い訳は結構ですっ!!!」

駿はしばらくの間「はい」と「すいません」以外口にしなかった。

それを見ていた聖奈が身を乗り出して梓に「ねぇ?梓?本当に雛形先生は許してくれてるの?そんな感じ全然しないんだけど?」と小声で尋ねる。

「まぁ、一応・・許してはくれてる」

「まじで?めっちゃキレてるみたいだけど?大丈夫なの?」聖奈は心配する様に駿を横目で見る。

するとスマホから「私が黙認してるからって勝手過ぎますよ?私はあくまでも金森さんの為に他言しないって言ってるだけなんですからね?そこのところを理解してくださいね?」とつかさの声が聞こえてくる。

「ああ、一応許してはくれてるみたいね!なら単純に駿くんが信用されてないだけなんだ」聖奈は無言で駿の肩に手を添えてうなずく。

駿はなぜ聖奈にうなづかれているのか分からず、なんとも言えない表情をしている。


「というか、なぜ金森さんだけじゃなくて、秋根さんと椎名さんまで居るんですか?」つかさが問いかける。

「いや・・なんというかですね・・その」

「歯切れが悪いですね・・もう正直に言ってください!」

「は、はい・・実はですね・・うっかり口を滑らせちゃいまして・・2人に金森がウチに居る事がバレちゃいまして・・あはは」駿は笑って誤魔化そうとするが、つかはには逆効果だったようで

「はぁ!?何考えてるんですか!!いくら何でも危機管理能力が低過ぎますよ!もっと慎重に行動してくださいよ!」とつかさの怒りをさらに買ってしまう。

「もう焦ったいな!貸して!」痺れ切らした聖奈が駿からスマホを奪い取る。

「ちょ!秋根!」「いいから!私に任せて!」聖奈はそう言うと淡々と話を始める。


「雛形先生?秋根です!」

「秋根さん?あなた達ね」

「皆川先生が焼肉奢ってくれるらしいんですけど、雛形先生も一緒にどうですか?」

つかさの言葉を遮る様に聖奈が言う。

「バ、バカ!ソレ言ったらさらに」

駿が喋ろうとすると、スマホからつかさの声が響き渡る。

「や、焼肉!?何よそれ!賄賂?まったくあの人は」

薔薇苑ばらえんですよ?あの薔薇苑!どうです?」聖奈は食い気味に高級店として有名な焼肉屋の名前を口にする。

「ば、薔薇苑?ちょっと待て!そんな高い店」

「しーっ!!」聖奈は駿に黙る様に合図を送る。

「どうです?皆川先生が是非とも日頃お世話になってる雛形先生に薔薇苑の焼肉をご馳走したいって言ってるんですけど?行きませんか?」

「薔薇苑ってあの駅前にある高級店の?」つかさが食いつく。

そのつかさの言葉を聞いた聖奈は、ニヤリと笑う。

「そう!そう!あの高級焼肉店です!もう皆川先生ったら、是非ともご馳走したいって聞かないんですよ〜!皆川のワガママに付き合ってあげてくださいよ〜!寛大な雛形先生にしか頼めないんです!どうか人助けだと思って協力してくださいよ〜!ね?ね?お願いしますよ!」

聖奈の言葉につかさはしばらく考え込む。

「ま、まぁ・・それなら・・せっかくだし」

「そうと決まれば駅前で待ち合わせしましょ!ね?ね?」

「わ、わかったわ・・なら駅前にね!」


通話を終えた聖奈が駿にスマホを返す。

「はい!これでひとまずは安心ね」

「安心ね!じゃないわー!薔薇苑とか勘弁してくれよ!あんな高級店! 5人で行ったりしたら8万は確実だろ!はぁ〜・・・もっと安い所行こうと思ってたのに・・・」

駿は意図せず高級焼肉店に行く羽目になった事を涙ながらに嘆く。

「なら駿くん1人で雛形先生を納得させられたの?ゴニョゴニョ言ってるだけで、何も言えてなかったじゃん!」

「ま、まぁ・・ソレ言われちゃうと・・言い返す言葉が見つからない・・」駿はつかさを納得させる事が出来なかった事と、教え子に言いくるめられた事で、自信を喪失したかの様にうつむく。

「まぁ、探偵費用をポンッ!って出せるくらいなんだから、焼肉代くらい余裕っしょ!ね?駿くん!」沙月は満面の笑みで言う。

「まぁ、出せるけどさ・・だからって無尽蔵にお金が湧いてくる訳じゃ」

「男がグジグジ言わないの!ホラ行くよ!駿くん!」財布と睨めっこをして打ちひしがれている駿の手を聖奈と沙月が引っ張る。

「わかった!わかったから引っ張るなよ!」

駿と梓、聖奈、沙月の4名は喫茶店の会計を終えると車に乗り込み、つかさの待つ高級焼肉店、薔薇苑へ向けて走り出す。



店に着くと、そこにはすでにつかさの姿があった。

駿は教え子3人を引き連れて、恐る恐るつかさに近づく。

「あの・・雛形先生?なんかすいませんね・・いきなり呼び出しちゃって」駿が申し訳なさそうに頭を下げる。

「勘違いしないでくださいよ?別に焼肉に釣られて来た訳じゃないんですからね?あくまでも監督者が必要!監視する人間が必要だと思ったから来ただけなんですからね?」

つかさは頬を赤く染めながら言う。

「は、はい・・わかってます・・・」

「ホラ!ホラ!喋ってないで行こうよ!お腹空いた!」

聖奈が皆を先導し、店内に入る。


皆は16000円の高級焼肉コースに舌鼓を打つ。

「う〜んまっ❤︎肉がとろけるぅ〜❤︎」皆が高級焼肉を食べれる喜びを噛み締める様に、焼肉を堪能する。

「ホラ!ホラ!雛形先生?注いであげますよ?」

聖奈がつかさのグラスに瓶ビールを注ぐ。

「あ、悪いわね・・ありがとう」

「さ!さ!飲んでください!グッと!グッと!」

聖奈に煽られ、つかさのビールを飲むペースがどんどん加速していき

「う〜・・ん、ムニャムニャ」気づくとつかさは、酩酊と言った様子でへたり込んでいた。

「あの?雛形先生?大丈夫ですか?」駿の問いかけにつかさは聞き取れる言葉を発さない。

「飲ませすぎちゃったかな?」聖奈は申し訳なさそうに眉を下げる。

「まぁ、でも楽しんでくれてるみたいだし。別いいんじゃ無いか?」駿がそう口にすると、つかさがおもむろに立ち上がる。

「私は!教え子には幸せになってもらいたいんですよ〜!」つかさは顔を真っ赤にして演説の様に語る。

「わかりましたから!座りましょう雛形先生?酔った状態でいきなり立ち上がると危ないですから!ね?雛形先生!」駿が酩酊状態のつかさに座る様にうながす。

「その点皆川先生は・・凄いって思うんですよ!」つかさの発言に皆が驚く。

「雛形先生・・・」駿はつかさの言葉に真剣な眼差しで耳を傾ける。

「自分の事を顧みず、生徒の為にここまで動ける先生なんて、日本中探しても居ませんよ〜?みんな〜?皆川先生が担任でよかったねぇ〜❤︎」

つかさはそこまで言うと、満足した様に笑みを浮かべ、駿の肩に頭を乗せて目を閉じる。

「雛形先生って口ではああ言ってても、駿くんの事信頼して尊敬してたんだ!ちょっと意外」

「ああ・・だな」駿はつかさの顔を見ながら微笑む。

Forbidden Love(ノベル版)

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