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第3章 あなたに触れたい。
なぜ彼には触れられないんだろう…。
どうしても私は彼に”触れたい”と思ってしまう
その日も私はいつも通り学校に投稿した。
いつもの玄関に入り、いつもの廊下を歩き、いつもの教室に入った。
ただ、何故か嫌な予感がした。
クラスの人達の目線、いつもは全く感じないのに、
私を睨んでいる気がする、
顔をあげられなかった。怖かった。
だから私は逃げた、カイに出会って少しは買われた気がしていた。
でも私は何も変わっていない
誰の顔も見たくなかった、
その日私はカイに会いに行かなかった。
会いに行けなかった。
怖かった、会いに行くのが。
カイはきっと話を聞いてくれる、そう思った、
でもやっぱり行けなかった。
私が学校に行けるようになったのはその1週間後だった。
久しぶりに手を通す制服、まだ少し怖かった。
でもカイは私の声を言葉を聞いてくれる。
そう信じて学校に足を踏み入れた。
その日私は多分ずっと下を向いていた、
放課後、私は旧校舎に足を踏み入れた。音楽室の扉
カイはきっと笑顔で迎えてくれる。
そう思いながら扉を開いた。
「やぁ、久しぶりだね。」
「なんで来なかったの?」
悲しそうに笑う彼を見て私は胸が締め付けられそうになった。
「…ごめん…なさい。」
「謝らなくていいよ、何かあったんでしょ?」
カイは優しかった、
そんな彼の目を見て声を聞いて、
私は涙が溢れた、
「泣かないで、僕には君の涙を拭えないから」
カイは困ったようにいった、
その顔はどこか寂しそうだった。
「なんで、私はカイくんに触れられないの?」
気づいたときにはそんな言葉を発していた。
彼は悲しそうに笑うだけで答えてはくれなかった。
この日、私は初めて彼に触れたいと感じた。