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「君の「またね。」が聞きたい。」
一輝「誠、分かってるか?」
誠「ああ、分かってる。」
俺たちは梓のお見舞い品を買いに行った。
一輝「…ふふっ、笑」
誠「ん、一輝?」
一輝「いや、お前が真剣に選んでるのが子供みたいで…笑」
誠「は?」
一輝「ごめんじゃん。 」
誠「これいいかも!」
一輝「だな!」
その時俺は数学のテストの時よりも集中していた。
誠「これが数学のテストだったらなぁー!」
一輝「俺も思った。」
一輝「お前さ、花買ったら?」
誠「えっ、なんか恥ずい…//」
一輝「はあ?男なら堂々と渡せよぉ!」
誠「恥ずいもんは恥ずいの!」
一輝「なんかロマンを出せロマンを!」
誠「……何言ってんのお前。」
一輝「ガチトーンやめてくんない?」
誠「一輝は?何にしたの?」
一輝「俺はこれ!」
誠「ん?なんか見覚えが、」
一輝「お前ん家のマグカップと同じやつ。」
誠「はっ、お前、!」
一輝「お揃いだな!」
誠「でも梓とお揃い、いいかも…」
一輝「だろだろ?」
誠(一輝だって梓の事好きなはずなのに、なんで…)
一輝「ほら、買えよ。」
誠「うん!」
お見舞い品を買い終わる。
一輝「誠の家相変わらずいい匂いだな。」
誠「ふふっ、だろ?」
一輝「じゃあ部屋行くぞ!」
誠「うん!」
一輝「誠、見て。」
誠「な……に、?」
一輝のスマホには花屋の予約完了の画面が映っていた。
誠「お、お前もしかして…」
一輝「大丈夫、俺が払う。」
誠「もしかして渡せとか、」
一輝「うん、渡せ!」
誠「だからさっき梓の好きそうな花聞いてきたのかぁ…」
一輝「お前疑わないからさー笑、笑いそになった。笑」
誠「うっせぇ!」
一輝「じゃあ明日、な?」
誠「っ…うん、」
一輝「お前手紙書いたら?」
誠「いいかも!」
俺はアドバイスされてばっかだった。
お見舞い品を渡す日、梓は泣いてた。
誠「梓…?」
一輝「大丈夫か、?」
梓「ん、来てたんだ…」
梓の手に持ってた紙には、「癌。」
俺は言葉を失った。
誠「……」
一輝「えっ、」
梓「あ…!これは違くて、!」
一輝「梓…大丈夫俺らいつも一緒、だろ?」
誠「… 」
一輝「ほ、ほら誠…!」
梓「誠、ごめん…」
誠(「またね。」って言わなかったのもこれなのかな。)
一輝「ま、誠?」
誠「梓、これ。」
梓「あ、ありがとう!」
俺は梓がこんな事になってるとは知らなかった自分にムカついた。
梓母「ありがとね、お見舞い品…梓喜んでたわ。」
一輝「よかったな!誠!」
誠「…そうだね。」
誠「あの、」
梓母「はい?」
誠「梓に、「またね。」って伝えておいてください。」
梓母「…分かった。」
一輝「お、俺も!」
梓母「はい、分かりました。」
梓母「梓も”バイバイ”ですって、」
誠「えっ、」
誠(やっぱりだ、)
一輝「ああ、、そうですか…」
一輝「誠、行くぞ、?」
誠「うん。」
俺はずっと元気がなかった。
誠「…」
一輝「誠誠、見て!」
一輝は俺を笑わせようとしてくれた。
でも笑えなかった。
一輝「…」
一輝「誠、」
俺は最低だ。そう思った。
元気を出させようとしてるのに…
誠(最低だ、俺って。)
一輝「…!そうだ、誠。 」
一輝「バイトしよーぜ!バイト!」
誠「…ばいと、?」
一輝「ああ!バイト!」
一輝「治療費、俺たちで頑張ろうぜ!」
誠「っ、一輝…!」
一輝「おっと、お前急に抱きつくなよ…笑」
誠「一輝ぃ…」
俺は嬉しくて涙が止まらなかった。
そのバイト代で足りるのかも分からないのに。
一輝は一生懸命堂々とやろうとしていた。