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奇病。
1000人に1人いたらラッキーとまで言われる、環境ストレスが体の外でも分かるぐらいにまで出ることを奇病と言った
俺もその中の一人だった。
「きょーさん。ドリミー連れて病室の外で待っててくれる?」」
きょーさんは意味を聞こうとはせず、ドリミーを連れて病室から出ていった。
「いいんですか?」
医師がドアを見つめながら言った。
「ええ、まだ整理出来ていませんし、自分から言いたい」
俺が思っていることを率直に伝えた
「いえ、私が引き止める立場では無いですし、少し気になっただけです」
さて、といいながら医師が言う
「らっだぁさんこのままだと…」
「分かってます。ずっと、前から」
どうしたらいいのか分からなかった
ら運営という居場所を作り、離れないようにしているのは紛れもない自分だ。
いつか話さないといけない。でも、勇気が出ない。
だからいつも心配かけてばっかりで
「…」
何も話していない空間。でも医師は大丈夫とでも言うようにまっすぐこちらを見る。
「いつか奇病治るといいですね」
と言いながら1枚の紙を渡し去っていった。
奇病報告書ーーーーーーー
らっだぁ様
最近は吐き気や幻覚症状が無くなってきています。
いい証拠と言えるでしょう
反対にいつも長時間の作業等でストレスが溜まり、この前は胸が締め付けられるという形で症状が出ていました。
今後、安静にしていれば治っていくでしょう
ーーーーーーーーーーーー
紙を見て少し安堵しながらも
ドアの方を見ながら担当医って心配性なんだなと思った
〈コンコン〉
ドアをノックしきょーさんがドリミーを担いで中に入ってくる
「話は終わったか?」
ドリミーが「ンン」と言いながら起きてくる
「ア!ラダオクンガオキタ!ダイジョウブダッタ?」
(あ!らだおくんが起きた!大丈夫だった?
ドリミーは心配しながら駆け寄る
「なぁらだ」
…きょーさんの方を見るときょーさんが怒ってるオワッタ
「ちゃんと俺たちを頼れよ」
きょーさんの言葉にびっくりしながら
「うん」
と言った
「でもらだ〜?あんな書類の山はどこから〜?」
前言撤回。オワッテタ
「いや〜あはは〜」
きょーさん。見る目があの、怖いっす
「この事は運営やお前の友達とかに言っといたから」
ときょーさんが少しニヤニヤしながらいった
「お、オワタ」
バタバタと廊下から足音がしたと思ったら
「らださん!」
といいレウさんとコンちゃんが血相を変えて入ってくる
こんなふたりを見るのは初めてだった
「無理しないでね」
心配されてしまった。
(愛されてるな)
そこまで俺のことが大切な存在では無かったらそんな事はしないだろう
奇病のことを伝えても気味悪がれたりしないと思っている
(ああ、やっぱダメだ)
喉まできたのに喉から進まない
(あーあ俺はいっつもそう )
気味が悪くてみっともなくて情けない何も出来ない自分
本当に馬鹿だな俺
「ラダオクン?」
ドリミーが心配してくれる
「ん?どうした? 」
何故かそんな事しか言えないまま時間がすぎた
「…でさーきょーさんが血相を変えてらだが倒れたーって言うから」
ああ、なんで言えないのか少し分かったかもしれない
俺は
自分は
居場所が
無くなるのが
苦しくなるのが
どうしようもなく
怖いんだ。