テラーノベル
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カイザーを「生殺し」にしてから一週間後の、ボス執務室。
潔世一がいつものように玉座に腰掛けていると、重厚なドアが開き、御影玲王が苦々しい表情で一人の男を連れて入ってきた。
その後ろからは、いつでも獲物を仕留められるよう、凪誠士郎が殺気を放ちながら気怠げについてくる。
二人が連れてきたのは、手錠を嵌められたミヒャエル・カイザーだった。
かつての敵対組織の若頭は、すっかりボロボロの姿になりながらも、その瞳だけは異様な熱を帯びて潔を真っ直ぐに見つめている。
「世一、こいつ、地下の独房でずっとお前に会わせろってうるさくてよ。……殺してもよかったんだけど、一応ボスの判断を仰ごうと思ってな」
玲王は不快感を隠そうともせず、潔に報告する。潔はデスクに肘をつき、冷徹な目でカイザーを見下ろした。
「カイザー、命拾いしたくせに、まだ俺に用があるのか?」
すると、カイザーはジャラ、と手錠を鳴らし、潔の前でゆっくりと床に両膝を突いた。あの傲慢だった男が、自ら完璧な 「臣下の礼」 を取ったのだ。
「……ハハ、ヨイチ。お前にすべてを奪われ、死すら与えられなかったあの日から、俺の頭はすっかりイカれちまったよ」
カイザーは首元の青い薔薇を歪ませ、恍惚とした笑みを浮かべる。
「俺を殺さず、底辺で這いつくばらせるのがお前のエゴなら……俺は喜んで、お前の足元で這いつくばってやる。お前が引き金を引かないなら、俺はお前の『弾丸』になってやるよ。……だからヨイチ、俺を、お前の犬の一匹にしてくれ」
その言葉に、部屋の空気が一瞬で凍りついた。
「は? ふざけんなクソアマチュア。潔の武器は俺だけでいい。お前なんか、今すぐここで首跳ねてあげる」
凪の瞳から完全に光が消え、ナイフの柄に手をかける。
「同感だね、凪。世一の右腕(猟犬)は俺たちだけで十分だ。これ以上、お前の玉座の周りに有象無象を増やすわけにはいかない」
玲王も銃口をカイザーの脳天に突きつける。
二頭の先住犬からの凄まじい殺気を浴びながらも、カイザーは狂ったように笑った。
「ハッ、お前らじゃ、ヨイチのその底なしのエゴを満足させられないだろ? 俺の方が、もっと上手くヨイチの弾丸になれるぜ」
バチバチに火花を散らす3人。
だが、その視線の中心にいるボス・潔は、不敵で、どこかゾクゾクするような冷酷な笑みを浮かべた。
「いいぜ、そこまで言うなら、お前を俺の『猟犬』に加えてやる。……ただし、一度でも使えない牙だと分かったら、その時は本当に、俺の手で直接なぶり殺してやるからな」
その言葉に、カイザーは背筋を震わせ、歓喜に満ちた声を漏らした。
「――御意、我が王。この命、お前のために使い潰してやる」
こうして、潔の足元には、凪・玲王に加えて、新たに狂信的な薔薇の猟犬(カイザー)が加わることになった。
3人の猟犬が、潔という唯一の主を巡って、これまで以上に激しい独占欲の冷戦を始めるのは、火を見るより明らかだった――。
ま-ん-て-ん
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#潔嫌われ
潔ッ俺を観ろ!の場面で死ぬ運命
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橘 柚
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コメント
3件
お疲れ様です!!いやぁ、世一かっこええ!!!続き待ってます!
うわ、この第4話、めっちゃ好きです……!カイザーの転落と狂信っぷりが美しすぎて震えました。「俺を、お前の犬の一匹にしてくれ」って、かつての敵があそこまで堕ちる浄化?支配?の描写、潔の底なしのエゴがゾクゾクします。玲王と凪の先住犬コンビの嫉妬&殺気もたまらなくて、3匹の猟犬が同じ主を巡って火花散らす未来、もう続きが待ちきれないです…!