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MINAMO

20 - ◆ 19話 裸眼でお楽しみください

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2026年01月08日

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◆ 19話 裸眼でお楽しみください

秋の夕暮れ。

薄灰ジャケットに緑Tシャツの 三森りく(24) が、

水色寄りのMINAMO“ミナ坊”を指で整えながら

待ち合わせ場所へ歩いていた。


淡緑トップスに灰スカートの 杉野いまり(20) が

境内前で手を振る。

淡緑のMINAMOが髪にふわりと馴染む。


「りくくん、今日のライトアップ、

“裸眼でご覧ください”って注意出てたよ。」


りくが首をかしげる。


「使えないというか……補完だけ停止って感じかな?」


ミナ坊が字幕をふわりと出す。


『このエリアでは

光演出保護のため視界補完を停止します。

裸眼に近い視界となります。』


──────────────────────


◆ 夜のライトアップ会場 ― MINAMO補完オフ


境内は淡い灯りに照らされ、

木々が水色に近い光を受けて揺れている。


入口には掲示があった。


《このエリアは“裸眼でお楽しみください”》

《MINAMOの視界補完は自動停止されます》


二人の視界はふっと素朴な見え方へと戻る。


いまりが息をこぼす。


「……補完なしって、なんか懐かしい。」


りくは光を見上げながら頷く。


「16Kの精密さじゃなくて、

光そのものの揺れがわかる感じだな……。」


周囲でも聞こえてくる。


「裸眼のほうが雰囲気出るね」

「たまにはいいな、この粗さ」


MINAMO普及後、

“裸眼体験そのもの”がイベント化していた。


────────────────────── 

◆ 翌日 ― 動物園(MINAZOO公式アプリ)


翌日の朝。

りくは薄灰パーカー、

いまりは淡緑シャツに灰スカートという軽い服装で動物園へ。


入口の表示が目に入る。


《おすすめ:動物園公式アプリ MINAZOO をご利用ください》

《MINAMOと連動し展示解説を表示します》


いまりがつぶやく。

「使ってみようかな……」


「じゃあ連携してみようか」


りくは無声で指示を送った。

「……MINAZOOアプリと連携して。」


『MINAZOOと連携しました。

展示の解説を視界端に表示します。』


目の前にいるコアラの説明がメッセージとして表示された。


いまりもMINAZOOアプリを使ってコアラの説明を見ているようだった。


いまりは思わず声を弾ませた。

「コアラきゃわいい〜!!」

手で口元を隠しながらはしゃいでいる。


──────────────────────


◆ MINAZOOアプリでの展示体験


キリンのエリアに入ると、

ミナ坊が小さな通知を出す。


りくの視界の端に、

淡い緑の小さな文字が現れる。


『アミメキリン

年齢:12

今は朝の休憩時間です』

『好きな葉:高い位置の若葉』


いまりが解説を見て嬉しそうだった。


近くの子どもたちもMINAMOをつけ、

「見やすい!」

「説明がすぐ出てくる!」

と楽しんでいる。


MINAMOは、

“必要な情報は視界端に出し、動物園を楽しむ”

という体験を生み出していた。


──────────────────────


◆ 午後 ― 美術館の静かな展示


動物園の後、隣の美術館へ。


館内は暗く、

りくのMINAMOが自動で暗所モードに切り替わる。


作品の前に立つと、

ミナ坊が必要最低限だけ小さく解説を出す。


『制作年:2035

技法:紙層再構成 × 光反射』

『視線を2秒固定すると詳細を表示します』


いまりがささやく。


「これなら作品の邪魔にならないよね。

静かに必要なとこだけ教えてくれる。」


りくも頷く。


「音声じゃなくて文字なのがいいんだよな。

静けさが壊れない。」


美術館では

“MINAMOありきの鑑賞スタイル”が

当たり前になっていた。


──────────────────────


◆ 帰り道 ― 世界の見え方を選ぶ時代


夕方の公園。

風で木が揺れ、淡い水色の光が葉に映る。


りくがつぶやく。


「裸眼で見せたい場所と、

MINAMOで見せたい場所、

分かれてきてるよな。」


いまりは笑いながらMINAMOを外して胸にかける。


「選べるのっていいよね。

裸眼の“粗さ”も、

MINAMOの“整った視界”も、

どっちも好き。」


ミナ坊が控えめに文字を出す。


『りく、場所に応じて

裸眼モード/補完モードを自動調整します。

世界の見方は、あなたが決められます。』


りくが微笑む。


「ありがとな、ミナ坊。」


MINAMO時代の“視界選択”は、

ただの機能ではなく文化になりつつあった。


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