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「オレンジジュース一つお願いします。」
「アラサーになってもオレンジジュースか,ガキか。」
「美味しいだろオレンジジュース!そんなコーヒーより!」
「コーヒー美味しいだろこの深みが分からないなんて,まだまだガキだな。」
「ガキ言うな。」
「それよりさっきの話の続きなんだか、ゆうたがMVPだな。」
「いや,あれはかいとだろ。かいとが色々けんじに言って薬作らせたんだろ。」
「俺は知ってるぜ。なおきが心配だからって朝練サボってまでまってたり、なおきと一緒に帰った時だって練習あったんだろ?コケを見つけたのもゆうただし、なおきのお見舞いを提案したのもゆうただ。」
「すげぇなかいと、そりゃけんじも口喧嘩じゃ勝てないわけだ。そういやいつけんじと仲直りしたんだ?」
「君らが起きるちょっと前だよ。けんじとはるきの部屋で薬の効果を待っていた時あいつが『ごめん,俺の心が弱かった。』って謝ってきたんだ。泣きながら。」
「あいつが?泣きながら?嘘だろ?」
「残念ながら嘘じゃ無いんだ。あいつが泣いたのを見たのはあれが最初で最後だ。」
「涙と言ったらかいとも一回泣いてたよな。テストの時!点数低かったんだったけ?」
「忘れろ!」
「嫌だね。涙は人を強くする。by武田信玄。」
「武田信玄そんなこと言わねぇだろ。」
「武田信玄は『撃沈かあさん』か。」
「風林火山な。」
そんなしょうもない会話をまだ僕たちはしていた。
4つ目の思い出 完
次回『5つ目の思い出』テスト編開幕