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ー 第1話 ー
「よーし!今日は久しぶりの撮影だー!!」
朝、眩しい太陽に目を細めながら、ベッドから体を起こした。
俺・じゃぱぱは、素早く支度を済ませて、階段を降りていった。今日は久しぶりの、マイクラ実況の撮影日。わくわくする気持ちを抑えられず、俺は、鼻歌を歌いながらリビングのドアを開けた。
ドアを開けると、リビングには朝食の準備をしているのあさんとえとさんがいた。
「あ、じゃぱぱさん。おはようございます」コンロの火を止めて、エプロンを外しながら挨拶をしてくれるのあさん。ピンク色の髪がなびいて、クッキーの髪飾りが音を鳴らす。
「じゃっぴー、おはよう!今日は早いね?」そう言いながら、えとさんは冷蔵庫から牛乳を取り出した。長い髪は後ろで束ねられている。
俺たちカラフルピーチは、メンバー全員でシェアハウスをしていて、のあさんとえとさんが料理担当である。2人が作る料理はどれも、ほっぺが落っこちそうなくらい美味しい。
いい匂いが漂う中、俺はリビングを見渡す。俺と2人以外は、まだそれぞれの部屋にいるようだ。よし。
「のあさんーえとさんー!俺メンバー呼んでくる!」
「助かります!」
「ありがとうー」
俺は階段を上がり、それぞれの部屋へ向かった。
俺の部屋は1番奥で、その横や前にそれぞれメンバーの部屋がある。奥の部屋から順番に起こすか。そう決めて、俺の部屋の前のドアを開けた。
「たっつん~!朝だよー起きてー!」
部屋に入ってすぐに、大きな声で言う。目の前にはすごい寝相のたっつんが寝ている。俺の声を聞くなり、
「ん…?じゃぱぱか…朝から元気やなぁ」
と、いつもの関西弁で答えながら目を覚ました。普段のたっつんは眼帯をしているので、していない寝起きはレア。
「だって今日撮影だよ?早く起きてねー」
「…はーい」
たっつんが起きたことを確認してから、俺は部屋を出た。
それから俺は、ゆあんくん、シヴァさん、どぬくさん、ヒロくんを起こして行った。ゆあんくんの部屋に、なぜかうりもいた時は驚いた。
「夜遅くまでゲームしてたら、うりが寝落ちしちゃってさー笑」
と笑うゆあんくんに対し、
「は?お前だって昨日うとうとしながら睡魔と戦ってたし笑」
と反論するうり。一見仲が悪そうに見えるが、実は大の仲良しなことを俺は知っている。
残りのメンバーを起こすのはどぬに任せて、俺はリビングに戻った。そういえば顔洗ってなかったな。自分よりメンバーを優先してしまうのが、俺の癖。まあ、リーダーだし。
そんなことを思いながら、洗面所で顔を見る。よし、今日もイケメンだな。鏡を前に笑顔を作ると、洗面所のドアが開いた。
「あれ、じゃぱぱさんじゃないですか。おはようございます」
入ってきたのは、最年長のなおきりさん。グループ一のイケメンと言っても過言ではないくらい、顔立ちが整っている。
「おはよーなお兄。今ね、俺、今日もかっこいいなって思ってた笑」
笑い混じりに言った。
「あら、そうなんですか笑 今日もかっこいいですよ、じゃぱぱさんっ」
なお兄も笑いながら答えてくれた。なお兄は鏡を見ながらパックをし始めた。俺はその横で水を出し、顔を洗う。水は冷たくさっぱりした。
洗面所から出ようとした時、またまた人が入ってきた。眠そうにめがねを上げて目を擦っている。髪は寝ぐせが沢山ある。
「もふくん~おはよう!眠そうだね」
「ふわぁ~…じゃっぴ、?なおきりさんも…おはよぅ」
もふくんは朝が弱い。毎朝とっても眠たそうに起きてくる。
「もふくんも顔洗うといいよ。さっぱりして目も覚めるし!」
「…うん~ありがとう、じゃっぴ…」
もふくんの返事を聞いてから、俺は洗面所を後にした。
リビングに戻ると、テーブルにたくさんの料理が並べられていた。どれも湯気を上げながらいい匂いを漂わせている。
テーブルには既にメンバーたちが座っていた。奥からヒロくん、ひとつ開けてうり、どぬ、シヴァさん。反対側に、ふたつ開けてゆあんくん、たっつんが座っている。
「お、じゃぱぱきたわ。はよ来てや~お腹すいたんや」
いつも通り眼帯をつけたたっつん。
「じゃぱぱさんおはよう~!」
ギザ歯を見せながら笑うシヴァさん。
「じゃっぴおはよう~なお兄ともふくん起こしたよ~」
髪をかきあげながら言うどぬくさん。
「おはよう、じゃぱぱさん。めっちゃ寝てたわ、笑 起こしてくれてありがとね」
少し頬を赤らめながら微笑むヒロくん。
そして、料理を終えたのあさんとえとさん、洗面所からなおきりさんともふくんが帰ってきて、全員がテーブルに集まった。
「せーの」
「いただきます。」
11人の声が重なる。みんなが朝食を食べ始め、話し、時に笑い合う。
こんな風に、俺の幸せで平和な日常は続いていく。
…続いていくと、思っていた。
このあと、この日常が突然終わりを告げるなんて、この時は、誰も思っていなかった…