テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
東京湾・臨海埠頭
能研本部で検知された第10階級《オプティマム》の能力反応。
ソウヤ、イレイダ、結衣、タジ、柚季、雛儀、小雨、アリス、そして名取惣一たちは、その反応地点へ向かっていた。
夕日に照らされた埠頭には、一人の青年が静かに海を眺めていた。
敵意はない。
しかし、その場に立っているだけで只者ではないと分かる空気をまとっている。
惣一が静かに口を開く。
「……久しぶりだな。」
青年は振り返り、穏やかに微笑んだ。
「お久しぶりです、名取さん。」
「初めまして。一之瀬ソウヤ。」
「私は柊千太。」
「New World Order’sの代表です。」
ソウヤは警戒しながら一歩前へ出る。
「NWO……。」
イレイダは腕を組んだまま問いかける。
「目的は何だ。」
千太はすぐに答えた。
「警告です。」
その一言で、その場の空気が張り詰める。
「私の能力はForesighter(先見の明)。」
「一年先まで起こる可能性の高い未来を視ることができます。」
結衣が驚く。
「未来を……。」
千太は静かに頷いた。
「ただし、未来は絶対ではありません。」
「人の選択によって変化します。」
惣一が続ける。
「だから彼は未来を”予言”するのではなく、”可能性”を見ている。」
「未来を変えることも可能ということだ。」
「その通りです。」
と千太は静かに微笑んだ。
千太は持っていた小さな手帳を開く。
そこには日時と場所、そして短い文章が書き込まれていた。
「三日後。」
「能力者研究施設が襲撃されます。」
タジが目を見開く。
「どこからその情報を?」
「見えた未来です。」
夢幻が真剣な表情になる。
「犯人は……?」
千太は少し間を置いて答えた。
「Az(アズ)。」
その名に、惣一の表情がわずかに険しくなる。
「間宮トオルか。」
「彼は能力者を拉致し、研究を続けています。」
「今回も、そのための襲撃です。」
ソウヤは拳を握る。
「止められるのか?」
千太はソウヤを見つめる。
「だから、あなたたちに会いに来ました。」
「未来は変えられます。」
「ただし、そのためには行動しなければなりません。」
イレイダが低い声で言う。
「他に見えたことは?」
千太の表情から笑みが消える。
「……あります。」
「ですが、今ここで話すべきではありません。」
「なぜだ?」
「知ることで、その未来へ近づいてしまう可能性があるからです。」
その言葉に、誰も反論できなかった。
帰り際、千太はソウヤだけに小さく告げる。
「一之瀬ソウヤ。」
「あなたは近いうちに、大きな選択を迫られます。」
「仲間を信じてください。」
それだけ言い残し、千太は静かに埠頭を去っていった。
その頃――
とある地下研究施設。
無数のカプセルが並ぶ巨大な実験室。
白衣の男がモニターを見つめていた。
「柊千太が動いたか。」
男は薄く笑う。
「未来を見る者がいるなら……。」
「私は、その未来すら利用してみせよう。」
振り返った男の胸元には、Azの紋章。
間宮トオル。
能力研究の第一人者であり、Azを率いる男だった。
彼は一枚の資料を手に取る。
そこに記されていた名前は――
『北条セツナ』
「実験は、次の段階へ進めよう。」
カプセルの中で、一人の女性の指先がわずかに動いた。
第25話 完
次回予告
第26話「奪還作戦」
千太が見た未来を変えるため、能研はAzの研究施設へ向かう。一方、眠り続ける北条セツナにも、覚醒の時が近づいていた。
#鬱展開
Mist-404
1,165
mogyumogyuGemi
646
コメント
1件
うわあ、第25話もめっちゃ熱かった…!!🔥柊千太さんの登場、雰囲気ありすぎて震えたよ〜「警告です」の一言で空気変わるのエモすぎる😭💕 未来視能力とかAzの陰謀とか、伏線がぐっと絡み合ってて続きが気になって仕方ない…!ソウヤの選択がどうなるのか、もうドキドキが止まらんよ…✨次回「奪還作戦」絶対読みます!お疲れさまです、n217さん!!🌸