サボってました…(スイマセン)
設定は第1話でよろしく。
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夜、誰もいない神殿の跡地に、ひとつの寝息が落ちていた。
遠形みわこは、海風がかすかに吹き抜ける石の上で、目を閉じていた。
眠っている――というより、“夢に潜っている”。
それは彼女の能力、「夢紡ぎ(ドリームステッチ)」による精神の漂流。
海の神が残した記憶と、どこかで繋がっている“深層”を探るための、危険な行為だった。
(海の神様……あなたは、まだそこにいるの?)
心の奥で呼びかけたその瞬間、
視界が音もなく反転した。
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そこは、水のない海だった。
上下も左右もない。空間すべてが、澄んだ青に染まっている。
海のようでいて、水はなく、息もできる。
声さえも、響かない。
それでも、みわこは確信していた。
――ここは、海の神が眠る場所。
そして、彼はそこにいた。
巨大な波のような気配を背に、
凛とした瞳を持つ青年が、静かに立っていた。
髪は濃い青にたなびき、衣はまるで潮流そのもののように揺れている。
海の神。
かつてみわこがすべてを捧げて仕えていた、誇り高き存在。
彼は、言葉ではなく、“意志”で語りかけてきた。
『我が信徒よ……時が満ちる』
みわこは目を見開いた。
『空が、己の絵筆を振るう時、世界は“塗り替え”られる』
『その時、お前は問われるだろう』
『誰の物語を、生かすか』
その声は、静かだった。
だが、確かにそこに、怒りと、悲しみと、そして――
信頼があった。
「……わたしは……わたしは、あなたの“意志”を守れる?」
そう問いかけた瞬間、海の神の姿が揺らいだ。
やがて、潮の流れのように溶けて消えていく。
そして最後に、確かに聞こえた。
『夢を編め、みわこ。真実は、眠りの底にある』
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ぱちん。
目を開けると、夜空が広がっていた。
頬を伝う涙の感触に、みわこは気づく。
「海の神様……あなたの言葉、ちゃんと……聞こえたよ」
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コメント
1件
ファンタジー書くの上手くないっすか、?